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【政治】

外国人目線で受け入れを 17年訪日旅行客最多

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◆政府観光局特別顧問 デービッド・アトキンソン氏

 今年の訪日外国人旅行者が十一月四日時点で、過去最多だった昨年の二千四百四万人を超えたことについて、日本政府観光局の特別顧問を務めるデービッド・アトキンソン氏は本紙の取材に、交通手段の充実で一層増加すると指摘した。日本の特色と位置付けられている「おもてなし」の誘客効果については疑問を呈し、外国人の目線に立った受け入れ態勢を整備する必要性を訴えた。 (横山大輔)

 −今年の訪日観光客は二千八百万人を超える見通しになった。

 「当たり前の結果だ。訪日手続きの簡略化やインフラ(社会資本)整備を進めた効果だ。しかしタイやドイツ、英国よりまだまだ少ない。航空機や船の発着枠が改善すれば、まだまだ訪日客は増える」

 −政府は東京五輪・パラリンピックを迎える二〇二〇年に年間四千万人を目標にしている。

 「十分到達できる。二〇年には訪日観光客で八兆円の消費を見込んでいる。より多くの消費金額が見込める欧米などからも訪日客を呼び込むため、アクティビティー(体験型観光)の充実を進めていることは評価できる」

 −勢いは続くか。

 「観光は世界経済の約一割を占める第三の基幹産業だ。(一六年度で観光が国内総生産の7%強にとどまる)日本も一割になるだろう。付加価値の高い観光を求める訪日客に対応することで、日本人の国内観光の充実も期待できる」

 −秋の行政レビューに有識者として参加し、外国語による観光案内の不備など辛口の指摘をしていた。

 「かつて観光戦略は古いやり方で進められてきた。政府が観光振興に本腰を入れ始めて四年ほど。一つずつ直しているが、まだ完成しているわけではない」

 −日本のセールスポイントは「おもてなし」か。

 「それぞれの国にそれぞれの常識がある。自分たちの価値観を自分たちで優れていると言うのは、ばかげた話だ。特別に観光の魅力のない国に、おもてなしや親切だけを目的に行くだろうか。例えば日本には鉄道のきっぷ売り場など現金しか使えない場面が多い。それのどこにおもてなしの心があるだろうか。訪日客の目線に立った受け入れ態勢を整備していく必要がある」

<デービッド・アトキンソン> 1965年、英国生まれ。英オックスフォード大卒業後、経済アナリストとなり、90年に来日。現在は文化財の修復を手掛ける小西美術工芸社(東京都)社長。著書「新・観光立国論」などで観光振興の提言を続ける。

 

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