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【政治】

対北、膨らむ防衛費 6年連続増 5兆1911億円

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 政府は二十二日、一般会計総額九十七兆七千百二十八億円の二〇一八年度当初予算案を閣議決定した。防衛費は六年連続で増額し、五兆一千九百十一億円となり、四年連続で過去最高を更新した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応強化を理由に、高額の米国製武器を購入していることが一因だ。 (新開浩)

 自衛隊の武器を米国から調達する際に多く適用される有償軍事援助(FMS)で購入する予算額は一二年末の第二次安倍政権発足後、増加傾向。一七年度は前年度比で減少したものの、一八年度は再び増えた。

 弾道ミサイルを迎撃するため日米で開発中の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」取得費は四百四十億円。十一月の日米首脳会談の際、トランプ大統領に米国製武器の購入を促され、安倍晋三首相が取得を明言した。

 SM3ブロック2Aを搭載する地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」導入に向けた調査費などで一八年度予算案に七億円、この日併せて閣議決定した一七年度補正予算案に二十八億円を盛り込んだ。八月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、小野寺五典(いつのり)防衛相が購入に向けて協力を依頼していた。

 北朝鮮対策に関しては、航空自衛隊のステルス戦闘機F35などに搭載する長距離巡航ミサイルの経費を、一八年度予算案に二十二億円盛った。夏の概算要求では要求せず、予算編成直前の今月になって追加要求し、満額が認められるという異例の手続きを踏んだ。

 ミサイルは射程が五百キロと九百キロのタイプがあり、日本の領空から発射しても北朝鮮の内陸まで届く。防衛省は艦艇や戦闘機が目標と説明するが、小野寺氏は防衛相就任前、自民党検討チーム座長として、敵基地攻撃能力の保有を含む提言の取りまとめを主導した。

 政府は従来、自衛目的なら敵基地攻撃能力の保有は憲法上可能とする一方、専守防衛の観点から政策判断として保有しなかった。自民党が今月開いた国防関連の会合では、出席議員から防衛省に対し「来年の通常国会で議論になる。ミサイルを敵基地攻撃に使わないと丁寧に説明してほしい」との要望が相次いだ。

 イージス・アショアについては、候補地として検討される秋田、山口両県に配備されれば攻撃対象となる恐れが指摘される。

<有償軍事援助(FMS)> 米国の武器輸出管理法に基づき、武器輸出適格国に対し武器を有償で提供する方式。(1)価格、納入期限は見積もりにすぎず、米政府はこれに拘束されない(2)代金は前払い(3)米政府は契約を解除できる−という米国に有利な内容となっている。

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◆一般会計97兆7128億円 税収増でも綱渡り

 政府が二十二日閣議決定した二〇一八年度予算案は、堅調な企業収益を追い風に税収が二十七年ぶりの高水準に達すると見込んだ。新たな国債の発行額も八年連続で減らす。だが政権が重視する子育てや防衛などに手厚く予算を配分。高齢化に伴って社会保障費も増え、一般会計の歳出総額は六年連続で過去最大を更新した。借金への依存度も高いままで、綱渡りの財政運営は変わっていない。

 歳入では、税収が一七年度当初比2・4%増の五十九兆七百九十億円。法人税や配当を含む所得税の増加を予想した。これに伴い新たな借金の額は2%減り、三十三兆六千九百二十二億円に。しかし歳入全体に占める借金の割合は34・5%と高いままだ。

 歳出の総額は九十七兆七千百二十八億円となり一七年度当初予算から0・3%増えた。安倍政権の看板政策「人づくり革命」と「生産性革命」を進めるため、待機児童の解消や高速道路の整備に手厚く配分。高齢化に伴う医療・介護費や、北朝鮮情勢に対応することを念頭にした防衛費の増加なども重くのしかかる。

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