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【政治】

尖閣接続水域に潜水艦 初確認、中国軍艦艇も航行

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 防衛省は十一日、沖縄県・尖閣諸島の大正島周辺の領海外側にある接続水域で、潜った状態の外国の潜水艦一隻と中国海軍のフリゲート艦一隻が航行するのを確認した。領海侵犯はなく、二隻は同日午後に接続水域を出た。海上自衛隊が情報収集と警戒監視に当たり、防衛省は潜水艦も中国海軍のものとみて、中国側の狙いを分析している。海上警備行動は発令しなかった。潜航した外国の潜水艦が日本の接続水域に入ったのは二〇一六年二月以来六回目で、尖閣諸島周辺では初。

 首相官邸は危機管理センターの情報連絡室で情報を収集し、分析。菅義偉官房長官は十一日の記者会見で「中国側に関係改善の流れを阻害することがないように強く求めていきたい」と述べた。杉山晋輔外務事務次官も中国の程永華(ていえいか)駐日大使に重大な懸念を伝えた。

 小野寺五典防衛相は十一日、防衛省で記者団に「緊張を一方的に高める行為で深刻に懸念している」と語った。

 防衛省によると、潜水艦は十日午後から十一日午前にかけ、沖縄県の宮古島東北東から北北東に向けて接続水域を進み、同日午前には大正島北東の接続水域を潜航した。潜水艦は国籍を明らかにしていない。またフリゲート艦も十一日午前に大正島北東の接続水域に入り、潜水艦とともに同日午後、接続水域外に出た。いずれも海自の護衛艦やP3C哨戒機が確認。フリゲート艦に安全保障上、懸念があると伝えた。

 日本政府関係者によると、接続水域を航行する潜水艦を海自艦が追尾し、これを追い掛ける形でフリゲート艦も接続水域に入ったという。接続水域の航行は国際法上問題ない。外国の潜水艦が潜ったまま接続水域に進入したのは、一六年二月十五日、国籍不明の潜水艦が長崎県・対馬南東を潜航して以来で、フリゲート艦が尖閣周辺の接続水域を航行したのは一六年六月九日以来二回目。

尖閣諸島の接続水域を航行した中国海軍フリゲート艦の同型艦=2017年12月5日、大隅海峡で(防衛省提供)

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◆「海自艦を監視」「正当」中国側

 【北京=安藤淳】中国外務省の陸慷(りくこう)報道局長は十一日の定例会見で、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に中国海軍の艦船が入ったことについて「赤尾嶼(せきびしょ)(日本名・大正島)東北側の接続水域に、海上自衛艦二隻が先に入って活動したため、中国海軍は全行程を追跡、監視した」と述べた。

 国防省も「中国艦の活動は完全に正当で合法だ。強烈な不満を表明する」などとする談話を発表した。

 陸氏は、尖閣諸島を中国の固有の領土と主張した上で「釣魚島(尖閣諸島)問題で、もめ事を起こさないよう求める」と発言。その一方で「最近、日本から中日関係を改善する積極的なシグナルが出ている。関係発展のために両国が歩み寄ることを希望する」とも述べた。

<接続水域> 国連海洋法条約に基づき、沿岸国が領海の外側約22キロの範囲に設定できる水域。銃器、麻薬の密輸や密入国を防ぐのが目的で、通関や出入国管理を巡り自国の法律を適用できる。艦船を含む外国船舶は沿岸国の安全を脅かさない限り、自由に航行する権利があると理解されている。日本は条約を批准した1996年に領海法を改正し設定。沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国は、周辺の接続水域に公船を頻繁に派遣。日本領海内の航行も繰り返している。

 

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