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【政治】

「生活ぎちぎち」「進学負担減らして」 貧困家庭7割 塾・習い事断念

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 経済的な理由で子どもが諦めた経験を保護者に聞いたところ「塾・習い事」が約69%、「海水浴やキャンプなどの体験」が約25%、「お祝い」が約20%、「部活動」が約14%−。経済的に苦しい家庭の子どもを支援する公益財団法人「あすのば」(東京都)が昨年10〜12月、同法人の入学・新生活応援給付金を受けた高校・大学生世代の子ども本人のほか、小学生から大学生世代の子どもを持つ保護者に調査した結果、経済的な理由でさまざまな経験を諦めたことが分かった。(編集委員・上坂修子)

 調査結果によると、世帯ごとの勤労月収について、多い順に並べた真ん中(中央値)の世帯で手取り十一万四千円、年収は百三十九万二千円だった。約76%の世帯が貯金五十万円未満と回答した。高校生の三割強がアルバイトをしており、週平均約三日、一日平均四・六時間働いていた。アルバイト代はスマホ代のほか、学校の費用や家庭の生活費などに充てた。

 給付金の使い道を自由記述で聞いたところ、最も多かったのが「制服」で二百五十二件。「学用品」(百二件)、「靴」(八十六件)などが続いた。

 特に改善してほしい支援について、保護者に聞いたところ「給付型奨学金や授業料免除など教育や進学の負担を減らしてほしい」が約80%と最も多かった。

 保護者からは「給付金のおかげで入学を心から喜べるようになったと感じた。入学=不安にならず良かった」などの声が寄せられた。子どもからは「父の障害年金月十万円だけの生活です。生活がぎちぎちです。助けてください」と支援を求める声もあった。

 「あすのば」が十三日、国会内で開いた調査報告会で、メンバーの大学生は「こんなに苦しんでいる子どもが日本中にいるということを実感してほしい」と報告。「子どもが子どもらしくいられる社会を望みます」と対策の充実を求めた。

 「あすのば」は、入学するか新生活を始める低所得家庭の子どもに給付金を支給している。支給は一回で額は一人三万〜六万円。返済は不要。調査は、一六年度に給付金を受け取った二千二百人余を対象に行い、保護者、子ども約千五百人から回答を得た。

◆首相は国会で貧困悪化否定

 政府は「子どもの相対的貧困率は改善した」との立場だ。野党の主張とは大きく異なる。

 安倍晋三首相は今国会で、総務省の全国消費実態調査に言及。同調査で、子どもの相対的貧困率(可処分所得が中央値の半分を下回る世帯で暮らす十八歳未満の割合)は二〇〇九年の9・9%から一四年に7・9%へ下がっている。首相は「雇用が大きく増加するなど、経済が好転する中で低下に転じた。格差が拡大し貧困が悪化したとの指摘はあたらない」と強調した。

 これに対し、野党側は国民の所得が全体として下がり、可処分所得の中央値自体が下がっていると指摘。「貧困は悪化している」(共産党の志位和夫委員長)と批判している。

 

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