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【政治】

「北の脅威」政府に矛盾 衆院選「危機的」→安保法訴訟では否定

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 「北朝鮮の脅威」を巡る政府の主張の矛盾が明らかになった。安倍晋三首相が昨年十月の衆院選で、北朝鮮情勢が「危機的な状況」だと強調した一方、同時期に行われた安全保障関連法に関する訴訟では、米国と北朝鮮が衝突する危機にあることを政府自身が否定し、主張を大きく変えているためだ。野党は政府の説明を「二枚舌」と批判。今後の国会審議で追及を強めることも予想される。(新開浩)

 衆院選を通じ、首相や小野寺五典(いつのり)防衛相は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮と、武力行使を含む「全ての選択肢」を否定しない米国との間で、昨年末から今年初めにかけ、緊張が極度に高まる可能性を訴えた。

 首相は衆院選前日の演説で「北朝鮮の危機がある中で、安保法を廃止すると言う人は、あまりにも無責任だ」と強調した。

 一方、集団的自衛権の行使を容認する安保法が憲法九条に違反するとして、陸上自衛官の男性が、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」での防衛出動命令に従う義務がないことの確認を、国に求める訴訟を起こした。

 一審の東京地裁は昨年三月の判決で「原告の部隊に出動命令が出る具体的な可能性があるとは言えない」などとして訴えを退け、男性は東京高裁に控訴した。

 衆院選から約一カ月後の十一月末、法務省は高裁に提出した準備書面で、男性が主張した米国と北朝鮮との武力衝突の可能性を「抽象的な仮定」と指摘。存立危機事態が発生する可能性についても「現時点における国際情勢」を理由に想定できないとした。国は北朝鮮情勢の深刻な危機を認めなかったことになる。

 しかし、東京高裁は先月末の控訴審判決で、安保法の成立を理由に、存立危機事態の発生を想定できないとした国の主張を「採用できない」と判断。男性の訴えは「適法」として一審判決を取り消し、審理を東京地裁に差し戻した。

 衆院選と控訴審での政府の主張の食い違いに関し立憲民主党の枝野幸男代表は十四日の衆院予算委員会で「一方で、すぐにもミサイルが飛んできそうな危険をあおりながら、一方では具体的な危険はないと堂々と主張している。二枚舌ではないか」と批判した。上川陽子法相は予算委で、訴訟での法務省の主張を説明しただけで政府内で主張が異なる状況は変わっていない。

 

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