東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

データの異常値次々 首相の答弁にも影響した可能性

 裁量労働制を巡る不適切なデータ問題を巡り、厚生労働省調査のデータから次々と見つかった労働時間の異常な数値は、一般労働者の労働時間を長く、裁量労働制で働く人を短く見せる傾向がはっきりしている。この数値が含まれていたために、安倍晋三首相が撤回した「裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いデータもある」との国会答弁にもつながった可能性が高い。 (木谷孝洋)

 厚労省は二〇一三年度労働時間等総合実態調査のデータを基に一日の労働時間を一般労働者は九時間三十七分、裁量労働制で働く人は九時間十六分と算出し裁量労働制が二十一分短いとしていた。だが、一般労働者の労働時間は一カ月のうち「残業時間が最も長い一日」の数値と判明。不適切なデータ比較だったとして、首相が国会答弁を撤回した。

 その後、厚労省の精査や野党の指摘で調査データの不備が次々と発覚。二十一日には一般労働者の残業時間が「四十五時間」などの異常値が、少なくとも百十七件、二十二日には裁量労働制の一日の労働時間が「四時間以下」としたものが百二十件出てきた。

 厚労省はこうしたデータが労働時間の平均を計算する際に使われたことを認めている。異常値がなければ、一般労働者の平均労働時間は当初の九時間三十七分より短く、裁量労働制は九時間十六分より長くなるため、「裁量労働制の方が短い」という結論が覆っていた可能性が出てくる。

 加藤勝信厚労相は二十三日の記者会見で、全国約一万社から聞き取り調査したデータ全てを、省内に作業チームを設置して精査する方針を明らかにした。

 希望の党の山井和則氏は同日の衆院予算委員会分科会で「(異常値の)データを混ぜて計算しているとなれば、裁量労働制の平均時間は間違って短く出されたということになる。大問題だ」と批判した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報