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【政治】

核持ち込み否定 揺らぐ前提 米戦略指針 北東アジア配備言及

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 トランプ米政権の核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」によって、日本の非核三原則が崩れる恐れが指摘されている。NPRが北東アジアへの核兵器配備の可能性に言及したからだ。日本政府は、米国による核持ち込みは「想定していない」との立場を変えていないが、その根拠は揺らいでいる。 (大杉はるか)

 米国は冷戦終結後の一九九一年、ブッシュ政権(当時、以下同じ)が、局地戦を想定した爆発力の低い戦術核について、航空機や艦船に搭載しない方針を表明。オバマ政権は二〇一〇年、海洋発射型の核巡航ミサイルの廃止を決め、NPRに新たな核弾頭開発停止を盛り込んだ。

 日本政府は、米国のこうした核戦略を根拠に、核は持ち込まれていないと説明してきた。

 民主党政権下の一〇年、岡田克也外相は核を搭載した米艦船が立ち寄れる日米間の密約も過去のものになったとして「(核持ち込みの)心配には至らない」と明言。安倍晋三首相は一五年八月「戦術核を(艦船などに)載せない米国の戦略は確定している。(核持ち込みは)事実上起こり得ない」と国会で答弁した。

 ところが、今回のNPRは新型の海洋発射型核巡航ミサイル開発を打ち出したほか「必要なら北東アジアに核兵器や核搭載航空機を配備できる」と明記した。

 これを踏まえ、共産党の藤野保史氏は今月十四日の衆院予算委員会で「日本政府が核を持ち込まれないと説明してきた前提が変わるのではないか」と指摘。「米国の戦略転換で、核が持ち込まれる危険が現実のものになろうとしている」と警鐘を鳴らした。

 首相は、前提が変わることは認めながら「米国は非核三原則を十分理解している。核搭載機の飛来や通過、配備は現状で想定していない」と説明。小野寺五典防衛相は、核持ち込みの事前協議があれば拒否するという姿勢は「変わらない」と強調した。

 政府は二十三日に閣議決定した答弁書でも、非核三原則に対する米国の理解を根拠に核持ち込みは「想定されない」と主張。米国がNPRで核戦略を転換したことには触れなかった。

<非核三原則> 核兵器を「持たず」「つくらず」「持ち込ませず」という原則。1967年、佐藤栄作首相が国会で表明した。衆参両院では71年から82年までに、同原則を堅持する決議を計7回行っている。

 

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