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【政治】

働き方法案「残業代ゼロ」は維持 首相表明 裁量制「全面削除」

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 安倍晋三首相は一日の参院予算委員会で、今国会に提出予定の「働き方」関連法案から裁量労働制の対象を拡大する部分を削除すると正式表明した。高収入の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル(残業代ゼロ)制度」創設については「予定通り今国会に提出する法案に盛り込む」と強調した。民進党の大塚耕平代表への答弁。

 首相は裁量労働制を巡る厚生労働省のデータに多数の不備があったことについて「精査せざるを得なくなったことを重く受け止めている」と表明。実態把握に努めるとともに、裁量労働制の対象拡大部分を法案から「全面削除する」と語った。

 大塚氏は、法案に含まれる残業時間の罰則付き上限規制や非正規労働者の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」について「われわれも賛成だ」と指摘。長時間労働につながるとの批判がある残業代ゼロ制度も関連法案から削除すれば「前向きに審議に応じられる」と迫った。

 これに対し首相は「柔軟な働き方を可能にし、生産性の向上にもつながる」と拒否。残業規制と「同一労働同一賃金」、残業代ゼロ制度創設を一括して提出する考えを示した。

 残業代ゼロ制度を巡っては、立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民の野党六党の国対委員長は国会内で会談し、関連法案から切り離すべきだとの認識で一致。立憲民主党の辻元清美国対委員長が一日、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、切り離しを求めた。

 公明党の山口那津男代表は一日の党中央幹事会で、関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除するとした首相の判断について「大きな決断だ」と評価。関連法案について、残業代ゼロ制度も含めて「大改革を成し遂げていく政府、与党の意思は変わりはない」と成立に向けて努力する意向を強調した。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は一日午前の記者会見で、裁量労働制の対象拡大部分を削除した関連法案の国会提出時期について「速やかに(与党と)調整し次第、対応する」と話した。

◆年収1075万円以上の専門職対象

<残業代ゼロ制度> 専門的な業務を行う事務職を対象に、労働時間の規制を外す制度。導入されれば、残業時間や休日・深夜の割増賃金が一切支払われなくなるため、長時間労働につながるとの懸念がある。現在検討中の法案では、対象者は年収1075万円以上で、金融ディーラーや研究開発職などの専門職に限られている。導入には本人の同意が必要。裁量労働制は労働時間の規制は残した上で、実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ労使で決めた時間を働いたとみなす制度。

 

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