東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

厚労相、裁量制調査を白紙に 労政審の前提崩れる

写真

 加藤勝信厚生労働相は二日の参院予算委員会で、裁量労働制の労働時間を巡って不適切なデータが相次いで見つかっている厚労省調査を「白紙にする」と表明した。調査は、高収入の一部専門職を対象に労働時間規制を外す「残業代ゼロ(高度プロフェッショナル)制度」創設を審議した厚労省の審議会に「議論の出発点」として提出されていた。政府が「働き方」関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除することを決め、さらに調査の撤回が加わったことで、野党は「残業代ゼロ制度も削除すべきだ」との要求を強めている。

 予算委では、共産党の小池晃書記局長が調査撤回を求めたのに対し、加藤氏は「白紙にして新たな調査を実施する」と明言した。

 加藤氏が撤回したのは「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」。一日の残業が「四十五時間」などの不適切なデータが延べ四百件超も見つかり、安倍晋三首相が関連法案からの裁量制拡大の全面削除を指示した経緯がある。

 調査は一般労働者と裁量労働制で働く人を対象に、一三年四〜六月に全国一万千五百七十五社を対象に実施。厚労省は、同年九月に始まった裁量制拡大や残業代ゼロ制度創設などを議論する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に「議論の出発点にしてほしい」と提出していた。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は予算委で「労政審の議論はこの調査から出発した。高度プロフェッショナル制度も法案から外し、労政審に差し戻すべきだ」と追及。加藤氏は「調査に基づいて制度を議論したわけではない」と反論し、法案から削除しない考えを強調した。

 残業代ゼロ制度は、年収千七十五万円以上の専門職が対象になっているが、小池氏は「一度導入されてしまえば年収要件はどんどん下がるのではないか」と指摘。加藤氏は「(年収要件は)法律を改正しない限り変えられない。要件を緩和していく考えはない」と述べた。 (木谷孝洋)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報