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【政治】

西部劇で撃たずに銃を下ろし合うよう 核兵器も互いに下ろしていく 賢人会議・山口昇氏に聞く

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 日本政府は、核兵器使用のハードルを下げる米国の新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を高く評価し、国連で採択された核兵器禁止条約に賛成しなかった。北朝鮮は核開発を続けている。核廃絶に向けて必要なことは何か。核軍縮「賢人会議」メンバーの山口昇・国際大副学長に聞いた。 (大杉はるか)

 −NPRでは新型核兵器の開発方針が示された。

 「余計なことをするなと言いたい。米国は通常兵器でも平壌(ピョンヤン)を平らにする(壊滅させる)ことができる。将来的な核廃棄や不拡散に本気なら、核兵器への依存度を下げていくべきだ」

 −米国は北朝鮮との対話の姿勢も示している。

 「『おまえが(核保有を)やったら、われわれはこういうものを使うぞ』と伝えればよい。核抑止は恐怖の均衡だ。北朝鮮に核を放棄させることが、核不拡散の大きな一歩になる。核開発をやめればどれだけ得をするかを世界中が認識すれば、核拡散はなくなる」

 −三月に二回目の賢人会議が予定されている。

 「前回の会議では『核兵器を明日からでもなくせ』『核兵器は必要悪』と、双方のギャップが大きかった。道徳的に考えるか、現実的に考えるかの違い。なかなか溝は埋まっていない」

 −「核なき世界」への道筋は。

 「核兵器は七十年間使われていない。使われないことが確実な状態を担保しながら、核なき世界にもっていく。西部劇で、撃たないことを示しながらお互いそっと銃を下ろすように、核兵器も下ろしていく」

 −核兵器禁止条約をどう評価するか。

 「市民の発信が、国際的な規範になることはある。例えば(一九九九年発効の)対人地雷禁止条約。子どもが被害に遭うこともあり、世界中が『対人地雷はとんでもない』となれば従わざるを得ない。それが道徳的な規範。核兵器を禁じる道徳的規範を広げることも必要だ」

<やまぐち・のぼる> 1951年生まれ、三重県出身。在米大使館防衛駐在官、陸上自衛隊研究本部長などを経て2008年退官。国際大副学長、笹川平和財団参与。

 

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