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【政治】

鶏ふんから電気 首都圏にお届け 岩手の鶏肉会社、原発事故機に挑戦

 鶏肉と一緒に電気もお届け−。生産量が業界トップクラスの鶏肉製品生産販売会社が、七年前の東京電力福島第一原発事故後、養鶏場から出る大量の鶏ふんを燃料にバイオマス発電に乗り出し、首都圏などの家庭に電気を届けている。大手電力会社と電気代は変わらないが、再生可能エネルギーを使いたい人たちに好評だ。特典としてチキンナゲットも贈られ「鶏から作られた電気」を実感できる。 (山口哲人)

 この発電に取り組むのは岩手県二戸市の「十文字チキンカンパニー」。グループで年間五千万羽分の鶏肉を出荷する。同社と、提携養鶏農家から出る鶏ふんは一日平均四百トン。堆肥で再利用したり、産業廃棄物として費用をかけて処分したりしていたが、原発事故を契機に鶏ふん発電所を建設。二〇一六年、同県軽米町に完成した。

◆発電1万世帯分

 同社発電課長代理の松本圭由(よしゆき)さん(38)は「処理に困っていた鶏ふんが、電気という形で日の目をみる取り組みにやりがいを感じる」と語る。鶏ふんは、鶏舎の床に敷かれたおがくずも含んで燃えやすく、その際に発生する水蒸気でタービンと発電機を回し発電する。発電量は一般家庭一万世帯分に相当。鶏肉の生産契約を結ぶパルシステムグループの小売電気事業者「パルシステム電力」に全量を売る。

 パルシステム電力は、鶏ふん発電を中心とした再生可能エネルギーによる電力を、首都圏や東北などの十一都県で供給。契約件数は二月末現在で五千六百件に達する。原発や、石油などの化石燃料によらない電力を使いたいとのニーズは高まりつつあり、さらに契約拡大を目指している。

◆特典はナゲット

 契約者には特典として、十文字社製のナゲット九百グラムも贈られる。パルシステム電力の鈴木松夫さん(43)は「契約促進のための特典ではなく、鶏と電気のつながりを実感してもらうのが狙い。少しでも脱原発に貢献できれば」と話す。

 再生可能エネルギーは、比較的短期間に再生可能で資源が枯渇しないエネルギー。鶏ふんなど生物資源をもとにしたバイオマス発電もその一つ。

 

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