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【政治】

原発ゼロ法案 4野党提出 市民の声集約「うねりに」

 立憲民主、共産、自由、社民の野党四党は九日、「全ての原発の運転を速やかに停止し廃止する」ことを掲げた「原発ゼロ基本法案」を衆院に提出した。立民が全国でタウンミーティングを開き、市民の意見を反映して完成させた法案。原発推進の安倍政権の下で成立する可能性は低いが、脱原発を目指す小泉純一郎元首相らとも足並みをそろえており、四党は「賛同する人たちを一人でも増やしていきたい」としている。

 法案は、全原発を停止し、法施行後五年以内に全原発の廃炉を決めることを規定。二〇三〇年時点までの電力需要を一〇年比で30%以上減らす目標や、再生エネルギーの割合を40%以上に拡大させるとした。

 作成に当たり、立民は今年一月から法案の骨子や前文をタウンミーティングやインターネットで公開し、市民の声を集めた。小泉氏と細川護熙元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)などさまざまな団体とも対話を重ねてきた。

 骨子段階では、石油の輸入が途絶えるなど「安定供給の確保に支障が生じる場合」は原発再稼働を例外的に認めるとしていた。しかし、原自連やタウンミーティングで例外規定に反対する声が多数寄せられたため、法案から削除。法施行後五年以内に廃炉を決定する期限も加えた。

 記者会見した立民の逢坂誠二エネルギー調査会長は「法律を作るだけでなく、国民運動にしていくことが大事。発信力のある小泉氏、細川氏の原自連などさまざまな団体と連携し、大きなうねりにしたい」と語った。

 民進党と希望の党は、党として法案の共同提出に加わらなかった。「立民の法案とは若干差がある」(民進・大塚耕平代表)などの理由。一方、民進の衆院会派「無所属の会」からは、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県から菊田真紀子(衆院新潟4区)、黒岩宇洋(同3区)両氏が賛成者に名前を連ねた。 (山口哲人)

◆原発ゼロ法案前文

 野党四党が提出した「原発ゼロ基本法案」の前文(一部略)は次の通り。

    ◇

 我が国は、今次の大戦において、原子爆弾の投下により未曽有の惨禍を被ったが、昭和三十年の原子力基本法の制定以来、原子力の平和的利用の名の下に原子力発電を推進してきた。(略)発電に要する経費が安価である、二酸化炭素を排出しない、核燃料サイクルによりエネルギーを無限に得られる等の主張は、原子力発電に関する諸問題から国民の目をそらし、殊更に強調された原子力発電の安全性は、日本の原子力発電所で事故は発生しないとの安全神話を生み出した。

 しかし、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に依存する経済社会の構造に抜本的な改革を迫るものとなった。(略)

 こうした現実に直面した今日、我々には、これまでの国の原子力政策が誤りであったことを認め、これに協力して日本の経済社会を支えてきた地域の経済の発展を促進しつつ、全ての実用発電用原子炉等を速やかに停止し、及び計画的かつ効率的に廃止するとともに、電気の需要量の削減及び再生可能エネルギー電気の供給量の増加によりエネルギーの需給構造を転換し、持続可能な社会を実現する責務がある。

 原発廃止・エネルギー転換の実現は、未来への希望である。原発廃止・エネルギー転換を実現することにより、環境と調和のとれた新しい経済社会を創造するとともに、そのために創出される新技術を通じて原子力発電所のない世界の実現に貢献することができる。(略)

 ここに、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。

◆原発ゼロ基本法案ポイント

・原発廃止とエネルギー転換を実現する改革に関し、国等の責務を明らかに

・全原発の運転を速やかに停止し、計画的かつ効率的に廃止

・法施行後5年以内に全ての原発の運転廃止(廃炉決定)

・再生可能エネルギーの供給量を2030年までに40%以上に

 

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