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【政治】

強制不妊 全国調査へ 救済に向け実態把握

 旧優生保護法(一九四八〜九六年)に基づき障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、政府は十四日、被害の実態を把握するため、全国的な調査に乗り出す方針を固めた。これまで実態調査について消極的な姿勢を見せていたが、方針の転換で救済に向けた動きが進みそうだ。

 自民、公明両党が発足させた救済策を検討するための合同ワーキングチーム(WT)が、厚生労働省に全国調査を要請する。同省は受け入れる考えだ。

 厚労省によると、旧法下で不妊手術を受けた障害者らは約二万五千人。このうち約一万六千五百人は、本人の同意がなく強制的に施術されたとされるが、個人名が記載された資料はほとんど現存しておらず、個人が特定できないケースも多い。共同通信のまとめなどでは、現存が確認された個人名記載資料は二十七道府県、三千五百九十六人にとどまっている。

 このため政府はまず、都道府県の協力を得て、手術を実施された当事者の記録の保存、収集を進める方針。集まった資料を分析し、どのようなデータが残っているのかを精査。さらに個人の特定につながる方法がないか、検討する方向だ。

 今月立ち上がった超党派の議員連盟が調査の実施を求めているほか、北海道の副知事が先月、厚労省を訪問し、自治体だけでの調査では限界があるとして担当者に実態把握を要請した。宮城、三重などの地方議会でも、国に救済を求める意見書可決に向けた動きが広がっている。

 この問題を巡っては、宮城県の六十代女性が起こした国家賠償請求訴訟が二十八日に仙台地裁で第一回口頭弁論が開かれるほか、各地で追加提訴の動きも出ている。

<旧優生保護法> 「不良な子孫の出生防止」を掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患がある人に対し、本人同意なしでも不妊手術を施すことを認めた法律。1948年に施行された。日弁連によると、96年に母体保護法に改定されるまで、旧法下で2万4991人が不妊手術を受け、うち1万6475人は同意のない強制手術だった。同様の法律により不妊手術が行われたスウェーデンやドイツでは、国が被害者に正式に謝罪し補償している。

 

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