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【政治】

被災3県、進まぬ区画整理 「7年たっても…」街の将来に不安

震災から7年がたっても更地が広がる市街地=岩手県陸前高田市で

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 東日本大震災から七年がたったが、被害の大きかった岩手、宮城、福島の三県では街の再建が進んでいない。復興事業の集中による人手不足などで、市街地などの基盤を整備する土地区画整理事業が各地で長期化しているのが大きな原因だ。高齢化、過疎化に震災の傷痕が追い打ちを掛ける現状に、区画整理が完了しても、人口流出などで街の再建は難しい、との声が漏れる。 (中根政人)

 「七年たってもここまでだ」。岩手県陸前高田商工会事務局長の佐々木誠さん(60)は嘆いた。

 震災で最大十七メートル超の大津波が直撃した陸前高田市は、震災関連死も含めて千七百人以上の死者・行方不明者が出た。市内の区画整理事業の面積は約二百九十九ヘクタール。市街地は一部の区画にショッピングモールなどが整備されたが、ほとんどが更地のまま。復興の大幅な遅れを物語っている。

 区画整理は、津波防災のための大規模な土地のかさ上げを伴う。完成予定は二〇二〇年度だが、店舗を建てるなど、市街地の再建が本格的に始まるのはその後だ。

 陸前高田商工会によると、被災した市街地の商店や事務所約三百件のうち、区画整理後の土地に戻って再建を目指すのは、三分の一の約百件にとどまる。佐々木さんは「空き地に“虫食い状態”のように店や事務所が点在するだけでは、市街地とは言えない」と街の将来に危機感を抱く。

 街の再建に向けて、自分にできる取り組みをしている人もいる。市内の仮設商店街「高田大隅(おおすみ)つどいの丘商店街」で飲食店を営む太田明成さん(51)は、震災前に市街地にあった店を津波で失った。市街地での店舗再開は開店資金などの負担が重くて断念したが、市から仮設施設を譲り受けて営業を続けると決めた。

 太田さんは「NPOと連携しながら非営利的な事業にも取り組み、商店街の存在や活動を広く情報発信したい」と前を向く。

 東北大大学院の増田聡(さとる)教授(都市・地域計画学)は「政府が復興期間を二〇年度までと区切り、市町村が集中的に予算を獲得したことで、区画整理事業の規模が被災者の需要より過剰になった面は否定できない。空き地が放置されないよう、地価や賃料を安くして土地を活用できる方策を検討すべきだ」と指摘する。

 

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