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【政治】

森友文書「第三者の調査必要」 識者ら指摘 麻生氏は消極的

 森友学園の国有地売却に関する決裁文書を財務省が改ざんしていた問題で、麻生太郎財務相は真相の解明に向け「財務省自らの責任として」省内の調査を進める考えを示している。だが身内による内部調査は甘くなりがちだ。有識者や野党からは「外部による調査委員会の設置が欠かせない」との声が出ている。

 「(改ざんの)当事者である理財局ではなくて大臣官房で調査を行い、信用性を担保したい」。麻生氏は二十日の記者会見で、調査に信頼性はあると主張することに躍起になった。

 誰がどんな目的で改ざんを指示したのか。調査によって、政治家の関与や職員の忖度(そんたく)がどのように働いたかを徹底的に明らかにすることが急務だ。

 麻生氏が調査を命じたのは、国会対応をはじめとする対外折衝や人事などを担当する大臣官房。実際に調査を担当するのは大臣官房に属する秘書課と監察官室の職員だ。改ざんの舞台となった理財局と近畿財務局に在籍した職員から聞き取りをし、処分を検討する。

 だが有識者からは「身内に甘くなりがちな内部の調査では、事実の解明は期待薄」との声が上がる。企業の監査制度に詳しい青山学院大の八田進二教授は「公務員にとって、上司や大臣ら政治家からの聞き取りは困難だ。調査範囲に限界があれば結果の説得力もなくなる」と指摘。企業が不祥事を起こしたときのように、弁護士など第三者チームによる調査が不可欠だと主張する。野党からは国会に調査委員会を設立するよう求める声も出ている。

 調査を進める麻生氏の姿勢にも懸念がある。麻生氏は不祥事を認めた段階で早々に「改ざんは理財局の一部で行われ、佐川(宣寿(のぶひさ)前理財局長)が最終責任者だ」と断じた。佐川氏に責任を押しつける結論で幕引きを図りたい意図があるかのような発言だった。

 財務省には前身の大蔵省時代の一九九八年に味わった苦い歴史がある。当時の省内の調査は金融機関が大蔵省の職員を「接待漬け」にしていたことを見過ごした。その後、職員は金融機関への情報提供などの見返りに接待を受けていたとして東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕され、当時の三塚博蔵相は引責辞任した。

 第三者による事実解明について麻生氏は「国会審議の中でもご指摘をいただいているので、問題意識は分かっている」と述べた。だが「由々しき事態」と言いながら、第三者による調査に後ろ向きな姿勢に危機感はみえない。 (桐山純平)

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