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【政治】

首相提案ありきで集約 「森友」で信頼低下 公明、維新は距離

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 自民党が二十二日にまとめた「戦力不保持などの二項維持で自衛隊明記」の改憲案は、安倍晋三首相(党総裁)が十カ月前に提案した内容そのままで、党内論議は異論はあっても初めから結論ありきで推移してきた。森友学園問題で安倍内閣の支持率が急落し、信頼が低下している中でも、党執行部は二十五日の党大会前の決着を優先した。だが、国民感覚からかけ離れた姿勢に、改憲に反対する野党だけでなく改憲勢力の他党も態度を硬化させている。 (金杉貴雄、我那覇圭)

 党憲法改正推進本部の細田博之本部長は二十二日の全体会合冒頭で「(九条を)基本から変えるのは(国民投票などを考えると)非常に厳しいが、議論しても果実が出てこないのは政治ではない」と強調。石破茂元幹事長らが主張する二項削除でなく、首相提案通り「二項を維持して自衛隊明記」での集約を求め、一任を取り付けた。

 首相は昨年五月三日、九条などを改憲して二〇二〇年に施行させたい考えを表明。森友・加計問題での支持率下落や衆院選で日程がずれ込んだが、自民党は今なお一八年中の国会発議を目指す姿勢を崩していない。節目を逃せば、いつまでも結論が出ない事態に陥りかねないとの危機感から、党大会までの取りまとめにこだわった。

 だが、強引ともいえる執行部の一任取り付けに、この日も出席者から「まだ議論していない部分がある」などと異論が噴出した。二項維持案に対する疑問に執行部から明確な答えはなく、石破氏も「意見の開陳ではなく、妥当性をきちんと議論すべきだ」と批判。最後まで「拙速にすぎる」との声は消えなかった。

 一方、他党の改憲勢力は森友問題による安倍政権の求心力低下を受け、自民党と距離を置き始めている。

 もともと改憲に慎重な公明党の井上義久幹事長は「議論のスピード感はそれぞれの党で違う」と指摘。公明党幹部は、自民党から押される格好で始めた党内論議に関し「しばらく休む」と語る。

 野党で唯一、自民党の議論を前向きに評価していた日本維新の会も「改憲論議は事実上できない」(馬場伸幸幹事長)と一変。自民党が目指す国会の憲法審査会での議論は、まだ入り口も見えない。

 

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