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【政治】

首相「関与なら辞める」発言境に 佐川氏、断定口調増える

 学校法人「森友学園」問題を巡り、三月二十七日に行われた佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の証人喚問で目立ったのが、疑惑を全面否定する断定口調だ。財務省理財局長として臨んだ昨年の国会審議では、安倍晋三首相が自身の進退に言及して関与を否定したのを境に、事実関係の説明に徹する姿勢から、「一切ない」などと言い切る表現を多用して一変したと野党は分析している。

 佐川氏は証人喚問で、決裁文書改ざんの経緯に関して証言を拒否する一方、首相や首相官邸などの関与については「ございません」を連発。野党からは「なぜ断言できるのか」と疑問の声が相次いだ。

 昨年二月に森友問題が報じられた当初、佐川氏は国会で淡々と事実関係を答弁した。同月十五日の衆院財務金融委員会で、国有地の大幅値引きの根拠を問われると「(ごみの)撤去費用を見積もり、不動産鑑定価格から差し引いた時価で売却した」、撤去費用は「工事積算基準に基づき適正に算定」などと説明した。

 だが、二日後の十七日、首相が「私や妻が国有地払い下げに関係していれば、首相も国会議員も辞める」と明言したことを機に、野党はこの問題で追及を強める。佐川氏の答弁回数は急増し、断定口調も目立つようになった。

 土地取引は適切との主張は同じだが、森友学園への事前の価格提示や、首相の妻昭恵氏を含む政治家や関係者からの働き掛けを「一切ない」と断言したり、交渉記録の提出要求に対して「廃棄して残っていない」と突っぱねたりする傾向が顕著になった。「何度も答弁している」など、いら立ちをあらわにする場面も。

 喚問で、佐川氏は首相の「辞める」発言を「政治的な思いでおっしゃっているのだなと感じた」と振り返る一方、「その前後で私自身が答弁を変えたという意識はない」と語った。

 だが、昭恵氏に関わる記述などを削除した決裁文書改ざんが始まったのも、この時期。野党は、首相を守ろうとした佐川氏が必要以上に断言する答弁を重ねた結果、つじつま合わせで改ざんに関与したとみている。証言を検証し、議院証言法違反(偽証)の罪で告発が可能か検討する方針だ。

 希望の党の玉木雄一郎代表は、佐川氏の証言について「誰の指示で、何のためにやったかは明らかにならなかった。官邸の関与は答弁調整したかのように『断言』だった」と指摘した。 (山口哲人)

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