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【政治】

診療報酬 都道府県別に 財務省が社会保障改革案

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 財務省がまとめた中長期的な社会保障改革案が十日、分かった。医療費や薬の調剤費として医療機関などに支払う「診療報酬」は全国一律になっているが、都道府県別の設定を推進すると明記した。介護分野は軽度の人の自己負担を増やす。十一日の財政制度等審議会分科会に提案し、六月に策定する財政健全化目標に反映させたい考えだ。

 高齢化が一段と進展するのに備え、財政支出の膨張を抑える狙い。医療費には実態として地域差があり、効率的な制度運用が期待できる半面、日本医師会などは経済性優先として反発する可能性もある。改革案は厚生労働省など政府内での調整も残っており、実現に向けては曲折もありそうだ。

 医療では、厚労相や知事が特例で単価を定められる「地域別診療報酬」の全国的な導入を進める。これまで制度はあっても活用例はなかったが、奈良県が実現を目指しているのを機に国が後押しする。医療費の伸びが著しく、住民の国民健康保険料が高くなる地域で報酬単価を下げるといった対応が可能になる。

 新しい薬や医療技術の公的保険適用時に企業の利益を上乗せして価格を決める現状を改め、費用に見合う治療効果があるかを重視する。市販薬と同じ成分の湿布やビタミン剤などは保険適用から外すほか、受診のたびに患者が窓口で一定額を負担する制度の導入も盛り込んだ。一方、要介護1、2の人向けの生活援助を保険給付から外し、市区町村の事業に移して自己負担を増やす。訪問介護サービスの過剰な利用は抑制。サービス利用時に必要なケアプラン作成にも利用者負担を設定する。

 財務省によると、七十五歳以上の後期高齢者数は二〇三〇年まで急増し、四〇年ごろに再び増える。従来二〇年度としてきた基礎的財政収支の黒字化時期の遅れを最小限にするには、社会保障改革が不可欠とみている。

<診療報酬> 公的保険を使って受ける医療の公定価格。手術や検査など内容ごとに単価が決まっており、ほぼ2年に1度見直す。患者は原則1〜3割を医療機関や薬局の窓口で支払い、残りは保険料と税金で賄う。医師や薬剤師の技術料である「本体部分」と医薬品や医療材料の「薬価部分」を合わせた全体の改定率は、年末の予算編成で決まる。それぞれの単価見直しは厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会での検討を経て決まり、全国一律で適用されている。

 

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