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【政治】

政治変える「ネット署名」 速く多く賛同 影響力増す

前財務次官のセクハラ疑惑で調査方法の撤回を求めるネット署名を提出するため財務省に入る早田由布子弁護士(左端)ら=19日、東京・霞が関で

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 前財務次官のセクハラ疑惑では、弁護士有志らがインターネットを通じて集めた署名が一定の影響力を発揮し、注目を集めた。ネット署名は、街頭での署名活動と比べて短期間で多くの賛同を集めやすく、活用の幅が広がっている。 (坂田奈央)

 「スピード勝負だと思った」

 今月十六日、財務省がセクハラ被害を受けた女性に名乗り出るよう求めたことを受け、労働事件を多く手がける弁護士の早田由布子さんらは翌十七日午後五時から、電子署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」で撤回を求める署名への賛同を呼びかけ始めた。ネット上で拡散し、二日後の十九日、早田さんらは二万七千人分を同省に提出した。

 昨年十一月には、待機児童解消を訴えてきた保護者らの団体が、三〜五歳の幼児教育・保育を無償化する政府の方針に対し「まずは全入化を」と訴え、ネット署名活動を開始。一カ月弱で三万人超分を集めた。

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 この動きを見て「ネット署名は政治的アプローチとして有効」と感じた東京都荒川区の二歳児の母親は、昨年末、ゼロ歳児保育の時間延長を区に求める活動を一人で開始。今年二月、約三千人分の署名と陳情書を区議会に提出した。

 その結果、区は来年四月の入園児からの時間延長を決定。母親は支持が広がった理由を「署名でステークホルダー(利害関係者)に明確な動機と根拠を与えられた」と分析する。

 性犯罪を厳罰化する二〇一七年六月の刑法改正を後押しした「ちゃぶ台返し女子アクション」は、ネット署名に加え、国会議員四十五人に会い、イベントも実施して関心のなかった人たちを振り向かせた。共同発起人の鎌田華乃子さんは「沈黙している被害者にも届く可能性があると思った」と振り返る。

 チェンジ・ドット・オーグで国内最大級の賛同者を集めたのは、一六年四月の熊本地震後、岐阜経済大の高木博史准教授(現教授)が九州電力川内原発(鹿児島県)の運転停止を呼びかけたキャンペーンで、約十三万人分。原発は止められなかったが、署名を機に九州で別の反原発キャンペーンが立ち上がった。

 チェンジ・ドット・オーグ日本代表理事のハリス鈴木絵美さんは「ネット署名を使えば社会の議論を変えられることが、徐々に浸透してきた」と指摘。「解決したい問題に合わせて戦略と戦術を変える。活用の仕方が大事だ」とも話す。

 

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