東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

改憲巡り国民投票法で溝 野党は抜本改正 与党内も温度差

写真

 改憲手続きを定める国民投票法の見直しを巡り、与党と野党の思惑の溝が深まっている。与党は具体的な有権者が投票しやすくするための微修正にとどめる一方、野党はテレビCMに上限規制を設けるなど同法の抜本的な改正が必要と主張している。自民党などの改憲勢力による豊富な資金力で、世論が左右されるとの懸念があるからだ。与党の自民、公明の考えにも温度差がある。 (我那覇圭)

 与党が見直しを検討するきっかけとなったのは、二〇一六年の公職選挙法改正だ。デパートなど住所地以外でも投票できる共通投票所の創設が認められ、外洋航海中の「洋上投票」対象が実習生まで広がった。与党は、改正公選法の内容を反映させた国民投票法改正原案を五月の大型連休明けにも野党に示したい考え。

 見直しを提案したのは、改憲を急ぐことには慎重な立場の公明党だ。国民投票法改正の議論を優先させることで、九条を含めた改憲を早く進めたい自民党に歯止めをかける狙いがある。公明党の山口那津男代表は「改憲案を発議するとしても、国民投票法がきちんと整備されることが優先課題だ」と指摘する。

 自民党は年内に改憲発議する方針を変えていないが、安倍政権内で森友学園や加計(かけ)学園問題など不祥事が相次いだ影響で、与野党による本格議論に入れない状況が続いている。国民投票法の改正論議で、衆参両院の憲法審査会を再開する糸口にしたい考えだ。

 安倍政権による改憲を阻止したい立憲民主党など野党には、現行法のまま無制限にテレビCMなどを認めれば、資金力がある政党などの主張が大量に流れ、世論が改憲賛成に傾きかねないとの危機感が強い。実際、一五年に行われた大阪府と大阪市の二重行政の排除を目指す「大阪都構想」を巡る住民投票では「CM合戦」が過熱した。

 憲法審査会での議論が進む見通しは立っていないが、国民投票法の抜本改正には慎重な国会審議が必要なため、結果として自民党など改憲勢力による改憲発議をさらに遅らせることができるとの計算も、野党には働く。そのため自民党は、野党に「時間稼ぎしようとしている」(幹部)と不信感をあらわにしている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報