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【政治】

PKO新任務「戦闘リスク」 政府認識、安保法成立直後

安保法成立直後に作成された防衛省文書のコピー

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 安全保障関連法が成立した直後の二〇一五年九月に開かれた防衛相直轄の会議用資料に、安保法に基づく国連平和維持活動(PKO)の新任務により「戦闘を伴う任務遂行」の可能性が高まると記されていたことが、十一日の国会審議で明らかになった。政府は、新任務で隊員の武器使用の権限を拡大しても「リスクは下がる」(安倍晋三首相)と説明してきたが、内部では隊員の戦闘関与を懸念していた。

 国会で示されたのは、陸上自衛隊の陸上幕僚監部が一五年九月二十八日付で作成した「陸幕施策等説明」という文書。防衛相直轄の「部隊長会同」という会議の資料として使われた。会議は安保法が成立した同十九日の直後に開かれた。

 PKOの新任務による戦闘関与の懸念は「将官教育の方向性」という表題のページに記され「他国と連携した戦闘を伴う任務遂行、現場指揮官による説明責任遂行の可能性増大」と指摘した。

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 実際、一六年七月には陸自の南スーダンPKO派遣部隊が活動していた首都ジュバで、政府軍と反政府勢力の武力衝突が発生し、多数の死者が出た。陸自隊員に犠牲者はなかったが、その後に公表された当時のPKO日報には「戦闘が生起」と記されていた。

 それでも、政府は同十一月、ジュバ市内の情勢が落ち着いたとして、邦人らを暴徒から武器を使って救援する新任務「駆け付け警護」を派遣部隊に付与。当時の稲田朋美防衛相は「万一の備えとして必要な任務と権限を与える。部隊にとってもリスク低減につながる」と強調した。

 文書の内容と、政府の説明との矛盾は他にもある。

 文書は安保法に基づく集団的自衛権の行使について「米軍、他国軍との共同作戦、武力行使を伴う任務遂行の可能性増大」と指摘。一方、首相は集団的自衛権の行使容認は限定的だと強調し「米軍の戦争に巻き込まれることはない」と明言している。

 文書は共産党の請求を受け、防衛省が提供。十一日の衆院外務委員会で、同党の穀田恵二氏が公表した。 (新開浩)

 

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