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【政治】

日中韓共同宣言 歴史表現、日中で調整難航

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 安倍晋三首相、中国の李克強(りこくきょう)首相、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の三首脳が九日深夜に発表した「共同宣言」。歴史に関する表現で日中両国の調整が難航し、安倍首相と李氏が直接、表現を話し合うという異例の展開になっていたことが分かった。

 共同宣言に盛り込む歴史表現に関し、前回二〇一五年の宣言には「歴史を直視し未来へ前進する」と盛り込まれた。今回は「悠久の歴史および久遠の未来を共有していることを再確認」とした。

 複数の日中韓首脳会談筋によると、日本側が前回より「雄大な表現」を求めたのが理由。野上浩太郎官房副長官は十一日の記者会見で「着実に進展してきた、未来志向の協力を総括するにふさわしい表現を追求した」と語った。今回「歴史を直視」を「悠久の歴史を共有」に変えたことで、日本の戦争責任が曖昧になるとの指摘も出ている。

 「歴史を直視」との表現は、〇九年の第二回会談の成果文書で登場した。一〇年の第三回では「歴史を鏡として」だった。四、五回は「歴史」の文字はない。

 安倍首相は一五年八月に「私たちの子や孫に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない。それでも私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければならない」との戦後七十年談話を発表した。過去より未来を重視したい首相の思いが反映されたと指摘される。同年十一月の第六回では「歴史を直視」が盛り込まれた。

 一九七二年の日中国交正常化の際の声明では「両国は、長い伝統的友好の歴史を有する」との表現が使われている。 (大杉はるか)

 

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