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【政治】

労働時間調査 2割を撤回 政府「有効」野党「差し戻し」

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 厚生労働省の労働時間調査に異常値が相次いで見つかった問題で、厚労省は十五日、対象となった一万一千五百七十五社のうち、二割に当たる約二千五百社に不適切なデータが含まれるなどとして撤回すると発表した。政府が今国会で成立を目指す「働き方」関連法案の前提となる調査に多数のミスが見つかったが、政府は調査は有効との立場を変えていない。野党側は「法案を出し直すべきだ」と追及を強めている。

 厚労省が十五日発表した再調査結果では、不適切なデータを確認した九百六十六社と、裁量労働制で働く人を抱える千五百二十六社を撤回した。裁量制のデータには、一日の労働時間が「一時間以下」といった異常値が多数見つかり、加藤勝信厚労相が三月にデータを撤回していた。今回の再調査では一般労働者のデータにも「一日の残業四十五時間」などのミスが多数見つかった。

 厚労省の担当者は十五日の記者会見で「調査に用いた調査票や記入方法に分かりにくい面があった」と説明。加藤氏も衆院厚労委員会で「謙虚に反省しなければならない」と陳謝したが、菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で異常値が見つかったデータを削除した結果について「当初と比べ、大きな傾向の変化はなかった」と調査自体は有効と強調。関連法案の早期成立を目指す考えを改めて示した。

 立憲民主など野党六党派は十五日、再調査結果により調査データの信頼性が崩れたとして関連法案を撤回し、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に差し戻すよう求めることで一致。立民の辻元清美国対委員長は「信頼性に足るデータを基に審議されるべきだ」と記者団に述べた。

 問題のデータは「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」。一般労働者の一日の労働時間の平均を九時間三十七分、裁量制は九時間十六分とし、安倍晋三首相はこれを基に、労働時間に関し「裁量制が一般労働より短いというデータもある」と国会で答弁していた。

 だが、野党の指摘で一般労働と裁量制のデータを不適切な形で比較していたことが発覚。首相が答弁を撤回し、関連法案から裁量制の対象拡大を削除する事態となった。 (木谷孝洋)

 

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