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【政治】

イラク日報 組織的隠蔽否定 職員独断で「保有せず」

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 防衛省は二十三日、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に関する調査結果を公表した。組織的、意図的な隠蔽は認定せず、情報公開請求に対し、陸自の職員が十分な探索をせず、上司の決裁も得ず独断で日報を「保有していない」と回答したと結論づけた。最も重い処分を受けたのは、この職員で減給一カ月(三十分の一)。背広組トップの豊田硬次官を口頭注意、制服組トップの河野克俊統合幕僚長を訓戒とするなど計十七人を処分した。

 小野寺五典(いつのり)防衛相は、一連の問題について「組織として大臣の指示に応えられず、シビリアンコントロール(文民統制)にも関わりかねない重大な問題をはらんでいた」と指摘。調査結果については「組織的隠蔽という事案にはつながらないという結論になった」と話した。

 調査結果によると、昨年二月十六日に野党国会議員からイラク日報の資料要求があったが、陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)教訓課の情報公開担当の職員は同二十二日、前任者から同課にイラクの資料はないと引き継ぎを受けていたため、十分な探索をせずに「ない」と回答。同三月二十七日には、イラク日報に対する情報公開請求があり、同じ日に教訓課長が日報の存在を把握したが、当時、国会で問題となっていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報以外は、陸上幕僚監部への報告が不要と誤解し、報告しなかった。

 同三十日には、二月の資料要求に対応したのと同じ教訓課職員が、研究本部総務課から日報を探索するよう指示を受けたが、教訓課長が日報を発見したことを知らず、独断で「保有していない」と回答した。

 イラク日報を巡っては、野党議員の資料要求を受け昨年二月二十日に、当時の稲田朋美防衛相が「ない」と国会で答弁。同二十二日に統幕総括官に対し「日報は本当にないのか」と口頭で確認した。 (村上一樹)

 <自衛隊のイラク派遣> 米国主導の「有志連合」が2003年に始めたイラク戦争からの復興支援名目で、イラク復興支援特別措置法に基づき実施された。活動範囲は「非戦闘地域」とされたが、イラクでは戦闘が続き、自衛隊宿営地への攻撃も続発。自衛隊初の「戦地」派遣だった。陸上自衛隊は04〜06年、南部サマワに延べ約5500人を送った。航空自衛隊も04〜08年、多国籍軍の物資輸送などを担当。名古屋高裁は08年、空自の活動を「他国の武力行使との一体化」を理由に憲法違反との判断を示した。

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