東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

特別養子、年齢引き上げ 実親同意要件議論も

 上川陽子法相は二十五日、現行で原則六歳未満としている特別養子縁組の対象年齢を引き上げる民法改正を、六月四日に開く法制審議会の臨時総会で諮問すると明らかにした。縁組に必要な実父母の同意要件の見直しも議論する。

 特別養子縁組は、児童養護施設にいる子どもに、家庭的、永続的な養育環境を与える選択肢の一つだが、年齢制限や同意要件が障害となって活用できていないとの指摘が出ていた。上川氏は閣議後の記者会見で「制度の見直しは喫緊の課題。充実した審議を期待する」と述べた。

 厚生労働省の有識者会議などは、対象年齢を引き上げ、縁組を五年で倍増、年間千件以上の成立を目指すとの報告書をまとめた。法務省の研究会も議論を進めている。

 新たな対象年齢として十五歳未満、十八歳未満といった意見があるが、年齢が上がるほど、養親との関係構築が難しくなる側面がある。また現行では、養親となる夫婦の一方が二十五歳以上などと定めているが、養子の対象年齢を上げた場合、年齢差が縮まってしまうことへの対応も課題だ。

 特別養子縁組は家庭裁判所の審判で成立する。戸籍の「父」「母」には養親の名前が記載されるなど、実親と法的関係を断つ重い制度のため、実父母の同意が原則必要。縁組成立の審判が確定するまで、実父母はいつでも同意を撤回できる。

 成立する前に六カ月以上の試験養育期間があるが、この間も同意を撤回できるため、安心して養育を始められないとの意見もあり、同意撤回の制限や同意権喪失の制度創設の可否も検討する。二〇一六年度の司法統計によると、特別養子縁組は約五百件成立。一方、厚労省によると特別養子縁組を検討すべきだったのに、年齢制限や同意要件で断念したケースも一四〜一五年度で約三百件あった。

◆実親と法的関係消滅

<特別養子縁組> 1988年に始まった制度で民法に規定。虐待や経済的な事情で実親が育てられない子どもを家庭的な環境で育て、安定した成長につなげることを目的としている。養親となる人の申し立てに基づき、家庭裁判所の審判を経る必要がある。実親との法的関係が残る普通養子縁組に対し、法的関係が消滅する。全国の児童相談所のほか、都道府県などに届け出た民間団体が仲介している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報