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【政治】

待機児童家庭、恩恵一切なし

 政府が決めた幼児教育・保育の無償化は、認可外施設も対象に含めたことで、子育て世帯の負担軽減につながる。その一方で待機児童のいる家庭は制度の外に置かれ、恩恵を一切受けられない。

 「保活」の競争が激しい都市部を中心に、多くの保護者は無償化内容の検討が始まる前から「待機児童の解消を優先してほしい」と訴え続けてきた。落胆の声が広がるのは確実だ。施設に預けることができた家庭と、希望しても入れない待機児童がいる家庭の格差は一段と広がる。

 認可外施設についても課題はある。今後、施設の増加が予想されるため、どう保育の質を確保していくのか、国や都道府県などには重い責任が課される。認可外施設はもともと、認可施設よりも国の設置基準が緩く、保育士が不足していたり「詰め込み」状態になっている施設もある。無償化の実施で保育の質の向上が置き去りになるのではないか、そんな不安の声も聞こえてくる。

 無償化を実現するために必要な予算は、現時点ではっきりしない。一兆円程度になるとの指摘もあるなか、どのように確保するのか見通しもついていない。無償化を優先するために、新たな認可施設の設置が遅れ、待機児童の解消が遠のくなら本末転倒だ。 (坂田奈央)

 

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