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【政治】

参院制度改革 党利党略の案 自民了承

 参院選挙制度改革を巡り、自民党は六日、定数(二四二)を六増やし、あらかじめ定めた順位に従って当選者を決める「拘束名簿式」を比例代表の一部に導入する公職選挙法改正案を関係会合で了承した。定数増の根拠は乏しく、批判も相次いだが、来夏の参院選への適用を優先して執行部が押し切った。選挙区で合区と一〜六人区が混在し、比例で拘束式と非拘束式が組み合わさる複雑な制度。野党側は強く反発しているが、執行部は今国会での成立を目指す。 (生島章弘、我那覇圭)

 改正案によると、選挙区の定数は議員一人当たりの有権者数が最多の埼玉選挙区で二増やし、計一四八に。「一票の格差」の違憲判断を避けるのが目的で、二〇一六年の前回参院選で最大三・〇八倍だった格差は二・九八五倍に縮小。比例は拘束式を選択できる「特定枠」を新設し、定数を四増する。参院の定数増は一九七二年の沖縄県の本土復帰を前に、七〇年に選挙区を新設した事例しかなく、実現すれば四十八年ぶり。

 格差縮小には「鳥取・島根」と「徳島・高知」にとどまる合区を拡大する方法もある。だが、対象県の反発は大きく、自民党が合区解消の改憲を掲げている事情もあり、定数増という異例の提案につながった。

 拘束式は、二つの合区で漏れた側の県の候補者を比例で救済するのが狙い。定数を変えずに拘束式に移すと、非拘束名簿の得票数下位の候補者が押し出される形で落選する。これを避けるため、格差と無関係な比例の定数も増やす。会合の出席者からは異論が続出。小泉進次郎筆頭副幹事長は「国民にどう映るか。野党も(批判材料に)使ってくる」と指摘。人口減少を踏まえて「地方議会も定数削減の努力をしている」として、国会の動きが逆行することを懸念する声もあった。

 立憲民主党の枝野幸男代表は六日のラジオ日本の番組で「自民党のご都合(主義)の案だ」と批判した。

◆抜本見直し程遠い

<横尾日出雄・中京大大学院教授(憲法学)の話> 比例の定数増は明らかに自民党の党利党略だ。有権者にとっては「特定枠」の導入で、今でも複雑な選挙制度がさらに分かりづらくなる。埼玉選挙区の定数増による「一票の格差」是正も小手先の対応で、抜本的な見直しには程遠い。

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