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【政治】

参院定数増案「恥の上塗り」 脇・元自民参院幹事長に聞く

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 自民党は参院定数を六増する公職選挙法改正案を今国会で成立させる構えだ。比例代表の一部にあらかじめ定めた順位に従い当選者を決める「拘束名簿式」を導入する複雑な仕組みで、野党からは「党利党略」との批判が強い。二〇一三〜一四年に与野党でつくる参院選挙制度協議会の座長を務め、合区導入に道筋をつけた脇雅史・元自民党参院幹事長に話を聞いた。 (我那覇圭、生島章弘)

 −自民党案の評価は。

 「全然理解できない。自ら合区を導入する法律を作っておきながら、それを事実上解消する案を出すのはあり得ない。今求められるのはむしろ、一五年の改正公選法に盛り込まれた抜本改革だ」

 −議員一人当たりの有権者数が最多の埼玉選挙区の定数を二増やすほかに、比例代表も増やす。

 「比例代表を四増する合理的な理由は見当たらない。候補者を立てられない合区対象県からも議員を出すためというのは自己都合でしかない。私が携わった四年前の選挙制度改革の時、最後まで何もしようとしなかった参院自民党のことを『死んだ』と言ったが、今回は恥の上塗りだ」

 −拘束名簿式導入の問題点は何か。

 「有権者に分かりにくい。一人区なら野党に負ける候補者が合区から出られないことを理由に比例代表で優遇されることになり、民意を反映しない選挙制度という意味で完全にアウトだ。拘束名簿式は党幹部の意向が強く働く。(名簿順位を上げたければ)『カネや有権者名簿を集めろ』ということが起こる」

 −自民党は改憲による合区解消も訴えている。

 「投票価値の平等をどう考えるのか、選挙区の参院議員は全国民の代表か地域の代表かといった論点を詰めず、憲法改正するというのは単なる逃げ口上だ」

<わき・まさし> 1945年、東京都生まれ。東大工学部卒。建設省近畿地方建設局長などを経て、98年の参院選比例代表で自民党公認で初当選し、連続3期務めた。15年、参院選挙制度改革を巡る党方針に反発し、自民党会派を離脱した。

 

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