東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

残業代ゼロの「健康管理時間」とは 実労働+休憩時間 労災認定難しく

写真

 「働き方」関連法案に含まれる高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」では、実際の労働時間ではなく、「健康管理時間」という物差しで働く人を管理します。高プロには労働時間という考え方がなく、働く人の健康を保つ新たな時間管理が必要になるのです。 (木谷孝洋)

 Q 健康管理時間って何のこと?

 A 政府の説明では、高プロで働く人が会社にいた時間と、会社以外の場所で働いた時間を足した時間のことです。社内で休憩したり、組合活動などの仕事以外の時間も含まれ得るため、実際の労働時間より長くなる可能性があります。

 Q なぜ新たな物差しが必要なんでしょうか。

 A 労働基準法では「一日の労働時間は八時間」と定めています。それを超えて働く場合は残業代、さらに休日や深夜労働には割り増し賃金が支払われます。一般的な働き方では実際に働いた時間を記録します。高プロはこうした労働時間に関する規制が一切なくなるため、実際に働いた時間に代わる勤務時間の把握方法が必要になるのです。

 Q 健康管理にどう使われるの?

 A 政府は、高プロで働く人の健康管理時間が著しく長くなった場合は、医師が面接することを義務付けています。具体的には、健康管理時間が法定労働時間(週四十時間)を超えた部分が月百時間を超えたら面接が必ず必要になります。ただ、医者にドクターストップの権限はなく、働く人の健康確保につながるかどうかは未知数です。

 Q どう勤務時間を把握するのですか。

 A 会社にいた時間はタイムカードやパソコンの起動時間などの客観的な方法で記録することを求める方針です。ただ、会社外で働いた時間は労働者の自己申告も可能になるため、正確な時間把握が難しくなることも予想されます。

 Q 国会審議の論点は。

 A 健康管理時間は実際に働いた時間ではなく、休憩時間を含めたより幅広い時間を計る物差しです。国会審議で野党は「実労働時間を把握しなくなるので、過労死しても労災認定されなくなるのでは」と指摘しています。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報