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【政治】

米国製武器費が圧迫 概算要求 防衛費が肥大化

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 二〇一九年度予算の防衛費の概算要求額が五年連続で過去最大を更新した。防衛費を押し上げる一因は、米国から購入する高額武器の増大だ。購入費は安倍政権下で高止まりが続き、今回さらに跳ね上がった。膨らむ支払いは要求額全体を圧迫しているが、今後も米国の要求でさらに増える懸念がある。 (新開浩)

 「FMSが増えすぎている。数年前は約二千億円。本年度は約四千億円。今回の要求額は約七千億円。異常じゃないか」

 自民党安保調査会長の中谷元・元防衛相は、八月二十八日の党会合で防衛省から概算要求の説明を受けた後、記者団に不満を漏らした。

 FMSとは、日本が米政府から武器を調達する際に多く適用される「有償軍事援助」という制度の略称。米政府は契約価格や納入期限に拘束されず、一方的な変更が可能で、不透明な価格高騰などの問題が指摘されてきた。

 旧民主党政権の一一年度当初予算で四百三十二億円だったFMS契約額は、第二次安倍政権の一五年度当初予算では十倍以上の約四千七百億円に急増。その後も高止まりし、今回の要求では六千九百十七億円に膨れ上がった。米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の関連費二千三百五十二億円を盛り込んだことが主な要因だが、今後も米国の言い値で増える可能性がある。

 防衛省は高価な武器を購入する際、支払いを翌年度以降の数年間に分割して取得する。この方式を多用した結果、一九年度は支払時期を迎えた「歳出化経費」が二兆七百八億円となり、総額の四割を占めた。人件・糧食費の二兆一千九百八億円と合わせると、要求額の八割が固定的な経費で占められる。

 その影響で、隊員の技量の維持に欠かせない訓練などの費用も圧迫されている。中谷氏は「修理や燃料の費用が足りず、訓練を中止したという話をよく聞く。必要な訓練にしわ寄せが生じないようにしてほしい」と苦言を呈する。

 しわ寄せは、概算要求の構成にも現れた。例年は米軍再編関連経費などとして前年度予算と同額の約二千億円を盛り込むが、今回は金額を明示しない「事項要求」とした。防衛省の担当者は「膨らんだ歳出化経費の要求枠を確保するため」と理由を説明。事項要求は概算要求基準内に総額を収めるための異例の対応であることを認めた。

 

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