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【政治】

沖縄知事に玉城氏 辺野古反対を前面 2代続き 政権派破る

沖縄県知事選で当選を決め、万歳する玉城デニー氏(手前左)=30日午後9時34分、那覇市で

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 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事の死去に伴う知事選が三十日投開票され、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設に反対する前衆院議員玉城(たまき)デニー氏(58)が、移設を推進する安倍政権が支援した前宜野湾市長佐喜真淳(さきまあつし)氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=ら三人を破り、初当選した。翁長氏に続く反対派知事の誕生により、政府の移設スケジュールに影響が出るのは必至だ。

 投票率は63・24%で、前回選を0・89ポイント下回った。玉城氏の得票は三十八万票を超え、同県知事選で過去最多となった。

 政権は選挙結果にかかわらず移設を進める方針だが、玉城氏は移設の是非を問う県民投票を実施して反対の意思を示すなど徹底抗戦する構えで、対立がさらに先鋭化するのは確実だ。

 選挙戦は、いずれも無所属新人の玉城、佐喜真両氏による事実上の一騎打ちの構図だった。

 当選を決めた玉城氏は、那覇市内で「辺野古に新基地を造らせないという誓いを、しっかりとぶれずに、全うしたい」と強調。「これ以上新基地を造らせないと翁長氏が命を削って全うしようとしたことが県民に宿り、後押しした」と語った。佐喜真氏は「県民の暮らしが最優先という訴えが浸透せず、私の力不足だ」と敗北宣言した。

 選挙戦で玉城氏は移設阻止を前面に掲げた。翁長氏の後継であることを強調して「弔い合戦」を演出。移設反対派の団体や共産、社民など野党各党の支援を受けながら、県民から幅広い支持を得るために政党色を抑える戦略が奏功した。

 佐喜真氏は、子育て支援の充実などを訴える一方で、辺野古移設への反発を懸念して是非を明らかにしなかったため「争点隠し」と有権者の反発を招いた。菅義偉(すがよしひで)官房長官ら政権幹部が相次ぎ沖縄入りするなど異例の支援態勢で臨み、前回選では自主投票だった公明党も推薦に回って徹底した組織戦を展開したが、無党派に浸透できず、及ばなかった。

 県は八月に辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回した。玉城氏は撤回を評価する立場で、早期の土砂投入を目指す政府との間で法廷闘争に突入する公算が大きい。

◆新基地 県民再び拒否

<解説> 三十日投開票の沖縄県知事選は、玉城デニー氏の勝利により米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を拒否する知事が、翁長雄志氏、玉城氏と二代続くことになった。安倍政権が進める新基地建設に、前回の選挙があった四年前と変わらず県民が「ノー」の強い意思を示したことの意味は大きい。玉城氏は選挙戦で、志半ばで急逝した翁長氏の後継であることを訴えてきた。選挙ビラなどでも、その他の公約とは別扱いにして、新基地反対を前面に出した戦術をとった。

 政権側の手厚い支援を受けながらも敗れた佐喜真淳氏は、辺野古移設の争点化を避けた。米軍基地問題での対立の過熱や長期化を懸念する層や、地元県本部が新基地反対の立場の公明党の票を意識したからだ。

 自民党は、政権の意向をくんで動く知事を誕生させるため、地元の企業・団体を締め付ける組織型選挙を徹底。前回は自主投票だった公明党も今回は全面支援した。政権側は辺野古の工事を今後も進める意向だ。

 にもかかわらず、県民は翁長氏に続いて玉城氏を後押しすると決めた。玉城氏は選挙結果を受け、新基地建設について「民意に沿って政府が判断すればいい」と語った。その重みを政権は無視してはならない。 (山口哲人)

◆沖縄知事選開票結果

当 380,997 玉城デニー 無新

  307,027 佐喜真淳 無新 =自公維希

   3,174 兼島俊 無新

   2,761 渡口初美 無新

  開票96%

      ◇

 玉城デニー(たまき) 58 <1>

 自由党幹事長(元)衆院議員・タレント▽上智社会福祉専門学校

 

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