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【政治】

私立幼稚園4割で値上げ 消費増税時の保育無償化見越し

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 全都道府県にある私立幼稚園百園を対象にした共同通信の調査で、約四割が来年度に保育料を値上げすることが二十七日、分かった。この中には来年十月に予定される幼児教育・保育の無償化を見越した「便乗値上げ」の可能性があるケースも含まれる。無償化に伴い保育料は国が負担するため、保護者の理解を得やすいことが背景にあるとみられる。値上げ分は納税者へのしわ寄せになり、国の施策の不備が浮き彫りになった形だ。

 無償化は安倍晋三首相が昨秋の衆院選で目玉公約として打ち出した。消費税率10%への引き上げ分を財源とし、幼稚園や保育所の保育料を全額または一部補助する。幼稚園への補助は園児一人当たり月二万五千七百円が上限となる。

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 共同通信は十月、本年度の保育料が補助上限を下回る月二万円前後の私立幼稚園を四十七都道府県から無作為に選び、計百園に来年度の保育料を電話で尋ねた。認可保育所や公立幼稚園、認定こども園などは自治体が保育料を決めるため調査の対象としなかった。

 百園のうち、来年度に保育料を「値上げする(検討を含む)」と答えたのは三十九園で、値上げ幅は月数百円から最高で六千円。理由(自由回答、複数可)は職員の給与引き上げなど「保育の質向上」が半数近くを占め、「無償化が影響した」との回答も十七園に上った。

 一方で「無償化の影響はない」としながら、国の補助上限と同じ月二万五千七百円まで引き上げるとした不自然なケース(三園)や、値上げの根拠が不明確なものもあった。

 このほかに保育料を「据え置く」としたのは五十八園、未定は三園だった。

 値上げの方法は大きく二つに分かれ、保育料そのものを引き上げるほか、これまで別途徴収していた通園送迎費や給食費を保育料に含めて一括徴収するとしたケースがあった。政府はこうした費目に関して「無償化の対象から除くことを原則とすべきだ」との方針を明らかにしており、文部科学省の担当者は「便乗値上げに該当する恐れがある」と指摘している。

<調査の方法> 共同通信は10月、47都道府県から私立幼稚園を2〜3園ずつ選び(道府県庁所在地とその他の自治体、東京は区部と市部)、計100園に来年度の保育料と値上げの有無、国の無償化が影響しているかどうかを電話で尋ねた。

<幼児教育・保育の無償化> 安倍晋三首相が昨年の衆院選公約で掲げた経済政策パッケージの柱の一つ。2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に実施される。3〜5歳児は所得制限を設けずに幼稚園や認可保育施設の保育料を国が負担する。ただし、幼稚園は月2万5700円が上限。0〜2歳児は住民税非課税世帯のみが対象。認可外保育施設は3〜5歳児が月3万7000円、0〜2歳児は月4万2000円を上限に補助する。保育施設などでは高い保育料を支払っている高所得世帯ほど、無償化による費用負担の軽減が大きいため「金持ち優遇策」との批判も根強い。

 

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