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【政治】

防衛省、無人潜水機開発へ 中国を警戒 情報収集強化

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 防衛省は、新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」とともに策定する中期防衛力整備計画(中期防)に、海中を自動航行して情報収集する大型の水中ドローン(無人潜水機)の開発方針を明記する意向を固めた。政府筋が四日、明らかにした。高い警戒監視能力を持ち、島しょ防衛強化の目玉装備と位置付ける。新大綱にも「無人装備の活用推進」と盛り込む方向だ。いずれも十二月十八日の閣議決定を目指す。

 今後の防衛力整備について防衛省は、水中ドローンなど自衛隊員が搭乗しない無人装備を重視する。沖縄県・尖閣諸島周辺を含め海洋進出を図る中国に対し、警戒監視能力を高める必要性に迫られていることが要因。慢性的な隊員不足の中、省人化へ無人化技術が着目されてもいる。ただ、今後技術が進展すれば、魚雷搭載が可能になり有人潜水艦に比べて攻撃能力が高い武器となりかねず、議論を呼ぶ可能性もある。

 関係者によると、中期防には「警戒監視などの多様な任務に適応可能な無人潜水機技術の確立」として方針を記す。これを踏まえ、防衛省は全長十メートル超の大型水中ドローンの研究開発に乗り出す。二〇二一年度中にも運用が始まる山口県岩国市の試験評価施設に縦三十五メートル、横三十メートル、深さ十一メートルの特殊な大型水槽を設け、音波探知の実証実験をする計画だ。開発時期は明らかにされていない。

 実用化されれば、一週間前後の長期間にわたり自動航行することが可能となり、水深の深い位置から水中音波探知機(ソナー)によって、相手方に察知されることなく、潜水艦の動きを詳細に把握できる。中国軍などが太平洋に出る際、通過する南西諸島に沿った琉球海溝などでの投入を想定している。

 新大綱などの閣議決定について、複数の政府関係者は十二月十八日の日程で最終調整に入ったと明言した。手続きの一環として、同十一日に有識者による「安全保障と防衛力に関する懇談会」、同十三日に安倍晋三首相を議長とする国家安全保障会議(NSC)四大臣会合を開く方向であることも明らかにした。

<水中ドローン> 遠隔操作やバッテリーによる自動操縦で動き、水中の情報を収集する無人の潜水機。有人の潜水艦では近づけない海域の情報を収集できる。動力源の技術革新で活用範囲が拡大しており、研究開発も活発化する。民間では海洋観測に利用されている。防衛分野では機雷捜索や対潜水艦の警戒監視への活用が想定される。防衛省は、事前に設定した進路を最長約9時間航行する全長約4メートルの無人潜水機を開発済みだが、配備はされていない。

 

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