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【政治】

日米 核軍縮巡り対立 核廃絶決議 国連の採択前 

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 国連総会第一委員会(軍縮)で一日に採択された日本の核廃絶決議を巡り、米政府が採決前、核保有国に核軍縮を促す核拡散防止条約(NPT)第六条の明記に反対を表明、日米間に意見対立が生じていたことが八日、複数の外交筋の話で分かった。米国は決議が過去のNPT合意に言及した点にも難色を示し「合意は時代遅れだ」と指摘、最終的に棄権した。

 最近、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄方針を決めたトランプ政権の核軍縮への後ろ向きな姿勢を反映する動き。NPTが二〇二〇年に発効五十年を迎える中、核軍縮分野での日米協調は困難を極めそうだ。

 同筋によると、採決前の日米調整で米国は、昨年の決議になかった第六条が記されたことに対し「NPTは核不拡散の条約だ。なぜ核軍縮に焦点を当てるのか」と主張。NPT再検討会議が過去に採択した合意文書の履行を各国に求めた文言に関しても、合意自体が現在の安全保障環境にそぐわないとして反対した。〇〇年のNPT再検討会議では「核廃絶への明確な約束」を唱えた最終文書が合意されている。

 米国はまた、核保有国が非保有国を核攻撃しないことを確約する「消極的安全保障」の重要性に触れた文言についても、表現を弱めるよう要求。これに対し日本は「第六条の重要性など核軍縮の訴えをこれ以上弱めると、非保有国が反発し、多くの賛成票を失う」と判断、米国との妥協に応じなかった。

 日本は昨年の決議で核兵器禁止条約に直接言明しなかったほか、第六条に触れず核軍縮の主張を後退させた。そのため第一委員会では賛成国が一昨年より二十三カ国減少。今年も禁止条約には言及しなかったが、昨年棄権の六カ国が支持に回るなどして百六十の賛成票を得た。今回棄権の米国は、昨年は賛成。核保有国の中では今回、英国が唯一賛成した。

<日本の核廃絶決議> 日本は1994年以来、国連総会の第1委員会(軍縮)に毎年、核兵器廃絶への決意をうたった決議案を提出し、25年連続で採択されている。決議に法的拘束力はなく、国際社会に向けた政治的メッセージの性格が強いが、核保有国に核軍縮を求めており、米中など核保有五大国の賛否が焦点。2016年の第1委での採決では米国を含む167カ国が賛成。昨年は144に落ち込み、今年は160カ国の賛同を得た。五大国のうち米仏は棄権、中ロは反対し、英国だけが賛成した。

 

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