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【政治】

パワハラ対策 実効性課題 防止義務法制化案 行為の禁止盛らず

既に防止義務化「セクハラなくなっていない」

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 厚生労働省は労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に示したパワハラ・セクハラ対策の骨子案で、企業にパワハラ防止措置を初めて法律で義務付ける方針を打ち出した。来年の通常国会に関連法案を提出したい考えで、企業の自主努力に任されてきた対策が前進する可能性がある。ただ、労働側が求めたパワハラ、セクハラを禁じる法制度は盛り込まなかった。防止措置の実効性確保が課題になる。 (大野暢子)

 「今まさにパワハラに苦しんでいる人がいる。禁止規定を法制化すべきだ」

 「ハラスメント対策として不十分だ」

 骨子案が示された十九日の分科会では、労組幹部ら労働側委員から異論や反発の声が相次いだ。

 九月に始まった分科会の議論では、パワハラ行為者を処罰できる禁止規定を求める労組側と、何がパワハラに当たるかの線引きが難しいことを理由に反対する企業経営者ら使用者側が対立。厚労省は、禁止規定の創設には「民法との関係や違法となる行為の要件の明確化が必要で、中長期的な検討が必要」と結論づけ、骨子案では企業への防止措置義務付けを柱にした。

 参考にしたのは、既に防止措置が義務になっているセクハラだ。男女雇用機会均等法に基づく指針では、企業に相談窓口の設置やプライバシー保護を求め、是正勧告に従わない企業名を公表する仕組みもある。

 しかし、これまでにセクハラに関する企業名の公表はゼロ。労使の紛争解決を担う労働局は調停はできるが、セクハラの認定や責任追及はできない。パワハラ防止措置が義務付けられても、同様の課題が残る。

 骨子案のセクハラ対策も新味を欠いた。社外の人間や顧客が加害者の場合、企業が取るべき措置を指針で示すとしたが、同じ内容は各労働局に通達済み。相談者への不利益な取り扱いの禁止を均等法に明記する案も示したが、これも既に指針化されている。

 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の内藤忍・副主任研究員は「防止措置が義務付けられているのに、セクハラはなくなっていない。何が不十分かを検証しなければ、パワハラ対策も実効性があるものにならない」と語った。

 

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