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【政治】

漁業法案 企業の参入基準曖昧 政府「詳細は成立後」

 政府が今国会で成立を目指す、漁業を成長産業にするための漁業法改正案を巡り、漁業への企業参入を拡大する基準の曖昧さが論争になっている。政府は成立後に詳細を示すと説明。野党側は、外国人労働者の受け入れを増やす入管難民法などの改正案と同様に、事実上の白紙委任を求めるやり方として強く反発している。 (関口克己)

 改正案は、漁業者の減少や後継者不足で漁業生産高が大きく落ち込んでいることを受け、養殖業への企業の参入を促し、漁業を成長産業にする狙い。

 最大の焦点は、一定区域で独占的に漁業を営む漁業権を、都道府県が付与する際、地元の漁協や漁業者に優先的に割り当てるとした規定の廃止。

 改正案は、漁場を「適切かつ有効に活用」していれば既存の漁業者が優先されるが、適切・有効に活用されていない場合などは「地域の水産業の発展に最も寄与する」企業に与えるとしている。

 問題は、「適切かつ有効」の基準が不明確な点。野党側は、恣意(しい)的な運用の余地があると指摘する。

 十一月二十七日の衆院農林水産委員会で、水産庁の長谷成人(はせしげと)長官は「都道府県によって判断の基準が大きく異ならないように法案成立後、国が技術的助言を定めて示す」と答弁。共産党の田村貴昭氏は「そんな大事な基準を示さず議論はできない」と反発したが、改正案はその後、与党や日本維新の会などの賛成多数で衆院を通過した。

 参院の審議でも、多くの野党がこの問題を追及。十二月四日の参院農林水産委で、国民民主党の田名部匡代(たなぶまさよ)氏は「一企業が独占的に公共的な権利を持ち、地元の漁業者の権利が奪われる懸念がある」と指摘。長谷氏は「その地域で、普通に真面目に取り組んでいる方は『適切かつ有効』と思う」などと答えたが、田名部氏は「判断(基準)を明確に定めるべきだ」と納得しなかった。

 

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