東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

実習生69人死亡を公表 15〜17年法務省資料

 外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案を巡り、外国人技能実習生が二〇一五〜一七年の三年間で計六十九人死亡していたことが、六日の参院法務委員会の審議で分かった。立憲民主党の要請を受け、法務省が関連資料を示した。実習生の劣悪な労働環境が改めて浮き彫りになり、野党が反発を強める中、与党は七日の参院本会議で改正案を採決し、成立を図る構えだ。 (木谷孝洋)

 資料によると、死亡者の内訳は、男性が五十四人、女性が十五人。年齢別では、二十歳代が四十六人、三十歳代が十九人で十歳代も二人いた。出身国は中国が最多で三十二人、次いでベトナムが二十六人。

 死因は心筋梗塞や急性心不全、くも膜下出血などが目立ち、自殺は六人いた。実習後に船から落ちて死亡したり、現場に向かう車内で意識を失い亡くなった例もあった。同僚の実習生に刃物で刺された人もいた。

 同省の集計では、日本に在留する外国人実習生は一七年末で約二十七万人。

 参院法務委で安倍晋三首相は、資料の内容について「見ていないから答えようがない。今までの制度に問題がなかったと思っているわけではない」と語った。

 山下貴司法相は、死亡に至った経緯などは「プライバシーの問題なので詳細は公表できない」とした。その上で「日本人でも、業務上の死亡や疾病はあってはならない。政府を挙げて(改善に)取り組まなくてはならない」と話した。

 質問した立民の有田芳生氏は委員会終了後、死亡者数が明らかになったことを受け「二十代、三十代の日本人の若者に比べはるかに高い比率で亡くなっている。技能実習制度のきちんとした総括なしに新しい制度はあり得ない」と記者団に語った。

 技能実習制度を巡っては、一七年に失踪した二千八百七十人に関する調査結果で、同省は当初、86・9%が「より高い賃金」を求めたとした後、67・2%に訂正。失踪の動機について最低賃金以下の低賃金と答えた失踪者は二十二人だったが、野党は聞き取り結果を記した「聴取票」を全て書き写した集計で、三分の二に当たる千九百三十九人が最低賃金以下だったと指摘した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報