東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

出産時もネットで国会出席 遠隔投票導入 自民で議論加速

写真

 自民党内で、女性国会議員が妊娠・出産のため議場に行けない場合、インターネットを使って議決に参加できる遠隔投票制度の導入を目指す動きが強まっている。民意を反映させる機会を広げるとともに、女性議員が活動しやすい環境を整え、世界的にも遅れている女性の政治参加を促すのが狙い。まずは衆院への導入を目標に党内の意見集約を進め、野党の理解も得て来年の通常国会で実現させたい考えだ。 (坂田奈央)

 衆院規則は議場での議決について「議場にいない議員は加わることができない」と明記している。憲法五六条の関連規定が「出席議員の過半数でこれを決し」となっているためで、投票を別の誰かに委ねる制度の導入は難しいと解釈されてきた。

 これに対し、欧州などでは、出産や重病といった事情がある場合の代理投票制度が存在し、自民党の小泉進次郎厚生労働部会長ら百人以上の議員が参加した超党派議連「『平成のうちに』衆院改革実現会議」が議論に着手。今年七月、国会改革提言の柱に、女性議員の妊娠・出産時に代理投票を認める案を盛り込んだ。

 自民党では、提言を引き継ぐ形で国会改革プロジェクトチーム(PT)を設置し、党女性局も協力して具体案づくりを加速。スペインなどの事例を参考に、議員本人がインターネットの通信端末を通じ、投票に参加する遠隔投票制度の導入を目指すことにした。議場では国会職員らが投票を代行するが、議員が「出席」したとみなす。

 複数の幹部が超党派議連に名を連ねた国民民主党にも賛同の声が多く、PTでは全会一致を目指して調整を進め、衆院規則改正案の提出につなげたい考えだ。

 ただ、遠隔投票制度は憲法五六条の趣旨を逸脱しかねないとして、憲法学者や国会議員の間に慎重論もあり、意見集約の難航も予想される。

◆小泉氏「実現できない理由はない」

 三原氏「産前産後の葛藤 分かって」

遠隔投票について語る自民党の小泉進次郎厚労部会長(左)と三原じゅん子女性局長=25日、東京・永田町の衆院第1議員会館で

写真

 遠隔投票制度は実現するのか。衆院での導入を目指し、自民党内で議論を主導する小泉進次郎厚生労働部会長と、三原じゅん子女性局長に意義や必要性を聞いた。 (坂田奈央、安藤美由紀)

 −遠隔投票の機運が生まれたきっかけは。

 小泉氏「超党派議連で女性議員から提案があった。すべての党が必要性を共有し、衝突しにくいテーマとして盛り込まれた」

 三原氏「女性議員は妊娠すると『ごめんなさい』という言葉から始まる。産前産後は十分に政治活動ができない可能性があるからだ。まず、その気持ちを分かってほしい。一方、国会議員として、地元の有権者(の声)を代弁して投票しなくてはという葛藤も当然ある。何とか義務を果たすことができないか。そういう思いから出てきた考えだ」

 −検討状況は。

 三原氏「衆院法制局と自民党女性局で、憲法に抵触せずにできる具体策の取りまとめに入る。妊娠・出産で権利を失わず、国会議員の責任を遂行する案を検討したい」

 −インターネットを通じて参加する案のようだが。

 小泉氏「本人であること、また他人に強制されたのではなく本人の意思に基づいていることを確認するには、今のところ実現可能性が高いと思う。既にスペインでは実施されている。できない理由はない」

 −男性も含めて重篤な病気を対象としないのか。

 小泉氏「そういう意見もあった。ただ病気でも可能にすると、最初から対象者が広がってしまうので妊娠・出産時に限定して考えるべきだということになった。これはあくまで現時点での考えで、さまざまな議論があると思うし、与野党がいいという形になるのが望ましい」

 −与野党合意は実現するか。

 三原氏「未来の女性議員のために、という最終点は同じだと思う。方法論が違っても、一つにまとめることはできると思う」

 小泉氏「異なる点ではなく、共有している部分を見て、できることを実現するのが大切だ」

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報