東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

超党派議連 法改正の動き「五輪へイメージ改善を」 利害関係者と国家公務員、ゴルフ解禁?

写真

 国家公務員倫理規程が禁じている国家公務員と利害関係者とのゴルフについて、自民党を中心とした「超党派ゴルフ議員連盟」が解禁を目指し、来年の通常国会に国家公務員倫理法改正案を提出する考えであることが分かった。ゴルフ禁止は旧大蔵省の接待汚職事件などを教訓に決まり、人事院のアンケートで国民や民間企業の七割が支持している。議連の動きはそれに反する。 (清水俊介)

 政府は現在、許認可申請する人、補助金申請する人、行政指導を受けた人などを利害関係者と認定し、国家公務員とのゴルフを禁止している。

 ゴルフ解禁を目指す理由として、議連は二〇二〇年東京五輪でゴルフが競技種目となることを挙げる。議連の衛藤征士郎会長(自民党)は、本紙の取材に「ゴルフは東京五輪の正式競技。スポーツとして楽しむ人が増えているのに規程があると、ゴルフは悪者というイメージを与える」と説明する。

 認めるのは料金を業者などと割り勘にする場合だけで全面的に解禁しない。公務員倫理法改正案には「利害関係者の負担によらないでゴルフその他のスポーツをする場合」は、禁止の対象外とする内容を書き込む方針。倫理法が改正されたあと、倫理規程も見直す。

 議連の動きは、ゴルフやスポーツ関係団体が後押しする。十二月の参院文教科学委員会に参考人として出席した日本オリンピック委員会(JOC)の松丸喜一郎常務理事は「ゴルフだけ差別を受けている」として、早急な見直しを求めた。

 国家公務員と利害関係者とのゴルフ禁止は、二〇〇〇年制定の倫理規程に盛り込まれた。大蔵官僚が金融業界から接待攻勢を受けた大蔵省接待汚職事件など、一九九〇年代に国家公務員の不祥事が相次いで発覚し、度を越した接待ゴルフが官民癒着の温床と指摘されたからだ。倫理規程には、国家公務員が利害関係者と一緒にしてはいけない行為として、旅行や遊技(マージャンを想定)に加え、スポーツで唯一、ゴルフを明記した。

 議連は一五年、政府に規程の見直しを要請した。これを受けて人事院の国家公務員倫理審査会が一六年に国民や民間企業、有識者らを対象に実施したアンケートでは、七割程度が現行の禁止規定を「妥当」と回答した。審査会は「現時点で見直しは困難」と結論付けた。

 ゴルフをめぐっては一七年に学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題に関し、安倍晋三首相が学園の加計孝太郎理事長と頻繁にゴルフをしていたことが国会で問題視された。一八年に発覚した文部科学省の汚職事件でも、同省幹部が元コンサルタント会社役員にゴルフ接待を受けていた。

<解説>「接待ダメ 割り勘OK」なお癒着の温床

写真

 超党派ゴルフ議連は割り勘でゴルフをすれば、国家公務員と利害関係者の節度ある関係は保たれるというが、説得力はない。許認可権を持つ官僚に対して、民間業者が度を越した接待攻勢を掛けるのは、過去の不祥事が物語っているからだ。

 業者が国家公務員とゴルフをするのは、仲良くなって、困った時などに便宜を図ってもらいたいからだろう。初めは割り勘にしていても、一度だけならと料金を肩代わりしてもらい、その関係がずるずると続くことは想像に難くない。

 しかも、国家公務員と利害関係者が割り勘にしたと口をそろえれば、反論は難しい。そこに法改正の危うさがある。

 議連が法改正に乗り出すのは、人事院の国家公務員倫理審査会がアンケートを基にゴルフ禁止規定の見直しに応じなかったからだ。審査会の理解が得られる見込みがないから、法改正するのは本末転倒で、姑息(こそく)と言わざるを得ない。

 「ゴルフは悪い」と思っている国民はいない。国家公務員と利害関係者がゴルフを通じて癒着し、公正であるべき行政がゆがめられたり、不正が行われたりすることに強い憤りを感じているだけだ。 

  (清水俊介)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報