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【政治】

辺野古沖 別区域で3月土砂投入 軟弱地盤改造、県認めぬ構え

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 防衛省沖縄防衛局は二十一日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設工事を巡り、昨年十二月から埋め立てを続けている場所に隣接する新たな区域で、三月二十五日から土砂投入を始めると県に通知した。二月二十四日には移設の賛否を問う県民投票が予定されており、県が反発するのは必至だ。 

 新たに着手するのは、現在土砂を投入している区域の西に隣接する約三十三ヘクタールの区域。二つの区域を合わせると、埋め立て予定地全体(約百六十ヘクタール)の約四分の一に達する。

 土砂投入に未着手の埋め立て予定海域東側の海底では、強度の低い「軟弱地盤」が確認されており、政府は今春にも地盤改良工事に向けた設計変更に着手する方針だ。今回土砂投入を通知した区域など、設計変更の必要がないエリアの埋め立てを急ぐ。

 通知書は、県赤土等流出防止条例に基づくもので、開始予定日は三月二十五日で、埋め立ての終了予定は二〇二〇年八月末とした。

 沖縄防衛局は土砂投入の時期について「作業の進捗(しんちょく)や気象条件に左右される」として、日程がずれ込む可能性もあるとしている。

 一方、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は二十一日の第三回会合で、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回の効力を国が停止したことについて審査したが、結論を見送った。委員長の富越和厚元東京高裁長官は「県と国の主張はだいぶ出そろい、議論は終盤に近づいている」と述べた。

◆国は提訴の見通し

 辺野古での新基地建設で、政府が埋め立て予定海域内の地盤改良工事の設計変更を沖縄県に申請する方針を固めたことで、今後、国と県との訴訟の応酬に発展する公算が大きくなった。工事を進める前提となる設計変更を、県が認める可能性は低い。変更が認められなければ、政府は、県の対応の違法性確認を求めて提訴する見通しだ。

 埋め立て予定の大浦湾は地盤がもろく、地元では「マヨネーズ並み」との指摘もある。政府の設計変更の申請は、想定以上に地盤が弱いことを事実上認めたことにもなる。国が訴訟を起こした場合、軟弱地盤の上に基地を造ることの是非が大きな論点になる。

 埋め立て承認撤回を巡っても、最終的には法廷闘争となる見込みだ。

 沖縄県は昨年八月に辺野古の埋め立て承認を撤回し、工事は一時停止した。政府は同年十月末、公有水面埋立法を所管する石井啓一国土交通相が承認撤回の効力を停止する対抗措置をとり、十一月に工事を再開した。

 県は、工事を進める防衛省と同じ政府機関の長である国交相が撤回の効力を停止する手法は不公平だとして、第三者機関の国地方係争処理委員会に審査を申し出た。同委は二月二十八日までに審査結果を出す見通し。国と県の双方は、決定に不服がある場合は取り消しを求めて提訴可能だ。

 県が二〇一七年に国を提訴した、岩礁破砕行為の差し止め訴訟も続いている。

 玉城(たまき)デニー知事は昨年十月の就任以降、対話による解決を求めているが、政府は「辺野古移設が唯一の解決策」との立場を崩さない。菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十一日の記者会見で「埋め立て工事の進め方は、防衛省が適切に対応する」と推進姿勢を強調した。 (島袋良太)

<辺野古移設問題> 日米両政府は1996年、米軍普天間飛行場返還に合意し、99年に名護市辺野古への移設を閣議決定した。移設先の埋め立て承認を取り消した故翁長雄志前知事と国が法廷闘争の末、2016年に県の敗訴が確定。国は17年4月、護岸造成に着手した。18年8月に県は承認を撤回。同10月に承認撤回の効力を停止する国の申し立てが認められ、国は昨年12月14日に土砂投入を開始した。

 

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