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【政治】

賃金統計調査で虚偽説明 厚労省「訪問」、実際は郵送

 厚生労働省で毎月勤労統計に続いて不正が発覚した「賃金構造基本統計」を巡り、二〇一八年に開かれた同省の有識者検討会の会合で、担当部局が実態とは異なる虚偽の説明をしていた疑いがあることが三十日、分かった。実際は大半の事業所に対して調査票を郵送しながら、計画で定めた訪問による「調査員調査」を規定通り実施しているとの資料を提出していた。

 賃金構造統計の調査方法については、総務省統計委員会が一六年度に「オンライン調査や郵送調査などの効率化について検討が必要」と指摘。厚労省は一七年七月に検討会を設置して見直し作業を進めていた。

 担当室長も「現在は調査員調査をしている」との前提で、将来的には民間委託による郵送調査の導入を検討したいと検討会で話していた。総務省に近く調査計画の変更を申請し、調べる項目の見直しなどと併せて郵送調査への切り替えを盛り込む予定だった。

 総務省は、計画に反する郵送調査の実施などは「統計法違反の可能性がある」と指摘。厚労省は不正調査が長年続いていたとみて、内部で調査している。

 賃金構造統計は雇用形態や学歴、経験年数などの属性別にみた賃金水準を把握する調査。厚労省が全国の労働基準監督署を通じて実施しており、統計法に基づく調査計画では調査員が企業を戸別訪問することになっている。

 総務省は二十八日、賃金構造統計について、計画と異なりほぼ全ての事業者に郵送で実施したり、調査対象業種から「バー、キャバレー、ナイトクラブ」を除外したりするなど不適切な処理が三件あったと発表した。

<賃金構造基本統計> 建設業や小売業、金融業などの主要産業に雇用されている労働者の賃金実態を、雇用形態や職種、性別、勤続年数ごとなどに集計した調査。国の統計の中でも総務相が指定する特に重要な「基幹統計」で、1948年から毎年、年1回実施されている。厚生労働省が対象事業所を抽出し、調査は都道府県労働局と労働基準監督署が担う。調査結果は最低賃金の検討や労災保険の給付額算定などに利用される。

 

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