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【埼玉】

深谷市の空き家対策に成果 自治会と連携、51軒が解体・更地

地域の空き家の現状を調べる自治会長ら=深谷市内で

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 放置空き家の増加が全国的に問題となる中、県内で初めて自治会と連携して空き家の実態調査を始めた深谷市で、一年間で五十一軒の空き家が解体されるなど、成果が出始めていることが分かった。同市は、空き家の有効活用を進める「空き家バンク」発足も計画。自治会による空き家の実態調査からシルバー人材センターによる保守管理、バンクを活用した物件流通までのフルメニューをそろえるのは、県内の自治体で初めてとなる。 (花井勝規)

 市は二〇一四年秋、市内二百二自治会が加盟する市自治会連合会へ協力を依頼し、市内の空き家の全戸実態調査を開始。昨年二月、正式に協定を結んだ。

 各自治会の班長ら約三千人を動員した調査結果は市がデータベース化し活用している。昨年十二月に完了した二回目調査の集計速報によると、市内にある空き家は一年前の前回調査比百十八軒増の計千二百三十軒に上った。うち倒壊などで周囲に危険を及ぼす恐れのある「危険」が七十一軒、「やや危険」が百七十四軒だった。

 一方、前回調査後に解体され更地になったのは五十一軒、新たに入居が確認されたのは六十四軒あった。解体された五十一軒には前回調査で「危険」「やや危険」に分類された十一軒が含まれており、市の担当者は「所有者に通知文を送るなど適正管理を促してきた成果が出始めた」と推測している。

 市東部に位置する幡羅(はたら)地区で二十二の自治会を束ねる浅見幹男幡羅支会長(67)は「この一年で空き家の数が新たに十一軒増えた。高齢の家主が亡くなるなど、増加ペースは年々上がっている」と現状を指摘。「庭の枯れ草が長年放置されるケースなど地域の安心安全を守るうえで空き家の見守りは自治会活動で欠かせない課題になっている」と自治会の役割を強調する。

 一方、新たな住人を見つけて空き家の解消を図る試みも始まった。市は先月下旬、県宅地建物取引業協会埼玉北支部(内山俊夫支部長)、全日本不動産協会県本部大宮支部(長島友伸支部長)と空き家の利活用促進協定を結んだ。これを基に、四月に空き家バンクを発足させる。空き家所有者に「売りたい」「貸したい」の情報を登録してもらい、希望者との成約に結び付けることで空き家解消を目指す。

 県内ではすでに九つのバンク(十四市町村)があり、最も先行する「ちちぶ空き家バンク」(秩父市など一市四町)では二〇一一年の発足以来、計八十五軒の成約があったという。

 「空き家の解消と人口減少対策の一石二鳥を狙いたい」とバンクに期待する小島進市長は「『バンクは形だけのものではダメだ。積極的に動け』と職員にハッパをかけている」と話す。市が所有者にバンクへの登録を積極的に働き掛けることで、既存のバンクを上回る成約を目指す考えだ。

 

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