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【埼玉】

介護現場の負担軽減に 高齢者宅の室温を遠隔調整 熊谷で実証実験

在宅介護の現場に設置された機器。室内の温度、湿度、照度が管理できる=熊谷市で

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 夏の過酷な暑さで知られる熊谷市内で、介護が必要な高齢者宅の室内気温の変化などを常時監視するシステムの実証実験が行われている。富士通系のインターネット接続サービス大手、ニフティ(東京都新宿区)が、同市内の介護事業者の協力を得て20戸の高齢者宅に専用機器を設置した。遠隔操作でエアコンの温度を調整できるなど、人手不足が深刻な介護現場を支える強力なツールとなる可能性を秘めている。 (花井勝規)

 重度のリウマチを患い、車イス生活を送っている熊谷市の女性(64)宅。一月、寝室のテレビ台に、丸形のセンサーや弁当箱よりもひとまわり小さいアダプターが設置された。電源コンセントさえあれば設置可能で、回線工事が不要のため、設置作業はわずか二十分で済んだという。

 センサーで収集した温度と湿度、照度のデータはLTE網を通じてニフティに送られている。収集した各種データは、女性宅に介護ヘルパーを毎日派遣しているNPO法人日本福祉ネットワーク(山中規光理事長)の事務所にあるパソコン上でリアルタイムで閲覧でき、女性宅の気温や湿度の推移をはじめ室内灯のオン・オフも一目瞭然だ。これにより朝の起床時や夜の就寝時間が分かるため、「異変」の把握もしやすくなるという。

 「トラック運転手の仕事で早朝から夜まで不在がちで、妻の状況が心配だった」という女性の夫(65)は「熊谷は夏は暑くて冬は寒く、体の悪い人にはこたえる。機器のおかげで部屋の環境を一定に保てるのはありがたい」と話していた。

 パソコン画面上でもエアコンの遠隔操作が可能のため、「寝たきりのお年寄りや手が不自由で自分でリモコン操作が難しいケースなど利用範囲は広そう」と山中理事長。認知症では、部屋の気温を異常に高くするなど気温への感覚が鈍るケースが目立つという。

 介護現場では、高齢化の進展やヘルパー人材の人手不足などでヘルパー一人当たりの負担が年々増している。介護利用者の生存確認のため、一日に何度も電話するヘルパーも多いといい、介護事業者が事務所で利用者の居宅の様子を集中管理することで、現場の負担軽減が図れそうだ。

 ニフティは二年前から同様の室内環境見守りサービス「おへやプラス」を個人向けに販売してきたが、介護の必要な高齢者向けの需要がより高いと判断し、介護事業者向けの販売の準備を進めている。機器類の価格は五万〜六万円、利用料は月額千〜二千円程度を想定している。

 同社は十八日以降、問い合わせを受け付ける。連絡先はアットニフティ法人会員センター=電0120(677)210=へ。

 

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