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【埼玉】

県警訓練中に水死 被告の巡査は無罪主張 遺族「殺された」

亡くなった佐々木俊一さんの遺影を手に持つ母親の千春さん=さいたま市浦和区で

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 朝霞市内の県警機動隊施設内のプールで二〇一二年六月、訓練中の佐々木俊一巡査=当時(26)=が訓練中に水死した事故で、安全管理を怠ったとして業務上過失致死罪に問われた当時の指導員だった県警巡査渡辺哲範(あきのり)被告(32)=休職中=の初公判が一日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)であった。渡辺被告は「おぼれさせる意図はなかった」と無罪を主張した。

 公判は、実際の水難救助で浮上できない場合を想定した訓練の一環として、渡辺被告が繰り返し水中に佐々木さんを沈めた行為の是非が焦点となっている。

 冒頭陳述で検察側は、「息継ぎする余裕を与えなければ、おぼれて死亡する恐れがあることは容易に予見できた」と指摘。弁護側は「(佐々木さんを)沈めた後も浮上するのを待っており、すぐに体を引き上げられるようにしていた。おぼれることは予見できなかった」と反論した。

 起訴状によると、一二年六月二十九日、空気ボンベなど三十八キロの装備を身に着けプール内を泳ぐ訓練をしていた際に、水深約三メートルの場所で、佐々木さんの体力や技術を考慮せず、水中に何度も沈めておぼれさせ、死亡させたとされる。

 公判を傍聴していた佐々木さんの母千春さん(58)は「殺されたと思っている。無念です」と遺影を持ち、目に涙を浮かべた。

 同事件をめぐって県警は、上司ら六人を業務上過失致死容疑で書類送検したが、さいたま地検は一四年九月、渡辺被告以外の五人を不起訴(嫌疑不十分)とした。千春さんら遺族は昨年六月、渡辺被告ら四人と県を相手取って損害賠償請求訴訟をさいたま地裁に起こしている。 (井上真典)

 

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