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【埼玉】

地震など災害時に被災者へ 中古車いす提供 吉川のNPO 障害者がクリーニング

「ひだまり介護事業部」で洗浄した中古の車いすと土屋さん=吉川市で

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 吉川市のNPO法人「なまずの里福祉会」と同市は、地震などの災害時に、同会が所有する車いすや介護ベッドを被災者に無償提供することを決めた。同会の福祉作業所では、障害者が中古の福祉用具をクリーニングして販売する仕事に取り組んでいる。同会の担当者は「災害時は多くの福祉用具が不足する。障害者も被災者支援に貢献できれば」と期待する。 (杉本慶一)

 なまずの里福祉会と吉川市は先月、「災害時における物資の供給に関する協定」を結んだ。災害時に同会が市に福祉用具を提供し、市は、避難所などに集まった被災者に無償で使ってもらう、との内容だ。

 同会が運営する福祉作業所「ひだまり介護事業部」では六年前から、高齢者施設や病院で使われている車いすや介護ベッドの洗浄を請け負ったり、買い取った中古品を洗浄して販売したりしている。「ひだまり」には知的や身体、精神障害のある二十歳〜五十代の十四人が通い、洗浄や消毒などを担当している。

 福祉用具の提供を市に持ち掛けたのは、四月の熊本地震がきっかけだった。ひだまり施設長の土屋紘一さん(38)は「お年寄りや障害者が着の身着のまま避難所にたどり着き、日常生活で使っている介護ベッドなどが足りなければ、非常につらい思いをする。けがをして車いすが必要になる人や、普段使っている車いすが壊れてしまう人も増えるだろう」と指摘する。

 ひだまりが中古販売用に所有する福祉用具は現在、車いす約八十台▽介護ベッド十台▽介護用マットレス二十枚▽歩行車六十台▽歩行器五十台▽段差解消用のスロープ十本−など。在庫は時期によって変わるが、市にとっては、メンテナンスの費用が不要という大きなメリットがある。

 市役所で行われた協定締結式には、なまずの里福祉会理事長の星座正俊さん(43)や土屋さんらが出席。中原恵人市長は「災害時の避難場所を地元の人たちに支えていただけるのは、市民の安心感につながる」と感謝を伝えた。

 土屋さんは「『災害時はひだまりが福祉用具を提供してくれる』と市民に知ってもらえれば、作業所で働くメンバーたちの努力も報われる」と話している。

 

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