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【埼玉】

さいたま市長選 かみあわぬ争点、自民系候補不在… 低投票率を心配の声

18日からイオンモール与野に設置された臨時期日前投票所=さいたま市中央区で

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 二十一日投開票のさいたま市長選で、低投票率を心配する声が強まっている。八〜十七日の期日前投票者数は四年前より低調。争点がいまひとつかみあっていないことや、自民党が自前の候補を出していないことなどの要素も重なる。選挙戦も終盤にさしかかる中、三候補は一票でも多く掘り起こし、投票所に足を運んでもらおうと市内を駆け回っている。 (井上峻輔)

 「ひと桁間違っているのでは」。候補者の一人は期日前投票初日の速報を見て、思わずうなってしまったという。投票者数はわずか三百二十五人。前回の七分の一ほどの数字だった。

 市選管は「告示前が連休だったので、投票券が届くのが遅れた」と説明。配布が完了した十日以降は盛り返してきたが、それでも十七日時点の投票者数は三万六千百二十七人。前回同期の三万八千八百八十二人を下回る。

 近年の各地の選挙では、期日前投票の利用者数が前回よりも増えることが多い。二〇〇三年から始まった制度の浸透が進み、各陣営も利用を呼びかけるからだ。最近では、四月の秩父市長選で投票率が前回より4ポイント下がったものの、期日前投票者数は増加している。そうした中での「投票率伸び悩み」だけに、ショックは大きい。

 市選管は十八日から、市内のショッピングセンターなど三カ所に市長選では初めてとなる臨時期日前投票所を設置した。買い物などの「ついで」に投票してもらうのが狙いで、作戦が功を奏すれば、投票者数が増える可能性はある。

 ただ、明確な争点がなく、対立の構図もはっきりしないという根本的な状況は変わっていないため、一部の陣営からは「かなり低い投票率になるのでは」との声が漏れる。

 過去の市長選の投票率は、六人が乱立した前々回が42・78%、二期目を目指す現職と自公推薦候補らが争った前回が37・98%。しかし今回は、市発足以来最低だった〇五年の35・51%を大きく下回りかねない、という見方さえある。

 有権者の投票行動に詳しい東北大の河村和徳准教授(政治学)によると、一般的に「政党の相乗り」「市民に身近な対立軸の不在」などの条件が重なった時に低投票率になりやすい。

 今回の市長選では複数政党が同じ候補を推薦する「相乗り」はないが、自民と公明が推薦自体を出していない。河村准教授は「組織票が減り、浮動票への働き掛けも少なくなる。候補者数が減ったことも低投票率を招きやすい」とみる。

 最後に重要な要素になるのが天気。雨だと有権者の足が鈍るが、熊谷地方気象台によると二十一日の県内の予報は「晴れ時々曇り」。絶好の投票日和だが、果たして結果は−。

 

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