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【埼玉】

SLランチで優雅に 秩父鉄道が初運行

イタリアンランチを堪能する乗客=SL車内で

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 県北部を結ぶローカル線秩父鉄道で17日、ランチを楽しめる初の蒸気機関車「SLパレオdeイタリアンランチ〜SALVAGE(サルベージ)〜」が運行した。腕を振るったのは秩父市内のレストランのシェフ。全国的にも珍しいランチSLに同乗し、汽笛の響く車内で本格イタリアンを堪能する乗客の姿を取材した。 (出来田敬司)

 SLは熊谷発三峰口行き。茶色いクラシックな客車の四両の編成で、五六・八キロの道のりを二時間四十分かけて走る。ランチの乗客十八人は熊谷駅から乗車し、全員最後尾の車両に。木製の仮設テーブルが備え付けのボックスシートに着席した。SLは定刻の午前十時十分、「ポーッ」と抜けるような汽笛を響かせ、熊谷駅を後にした。

 坂本昌己・執行役員企画部長によると、予約申し込みは運行の一カ月ほど前、同社のホームページで受け付けた。当初は「さばききれるだろうか」との心配も。しかし、不安は見事に裏切られ「受け付け開始四、五分で売り切れた」。乗客は県内だけでなく、東京都や千葉県、群馬県など関東一円に及んだ。

 SLが出発してほぼ一時間半、秩父谷の入り口、長瀞駅に到着した。ここで秩父駅そばのイタリアンレストラン「SALVAGE」のシェフ坪内浩さん(37)が乗り込んで来た。

 坪内さんは食材を盛りつけ、手際良く乗客に提供していく。旬野菜のサラダ、カリフラワーと新タマネギのポタージュスープ、武州豚の炒め物とサフランライス−。その多くが秩父産の食材だ。揺れる車内でもこぼれないようにと、とろみをたっぷり付けている。

 客席のテーブルは特製のランチョンマットに季節の花が添えられ、そこはかとなく非日常感が漂う。乗客らは料理が提供されると、客同士で写真を撮ったり感想を言い合ったりして、食の旅を楽しんだ。そのうちにSLは緑の山野が広がる奥秩父へ。ほぼ定刻通りに三峰口駅に到着した。

 本庄市四季の里の会社員工藤英幸さん(43)は「特にスープが絶妙。SLの車内で、とてもゆったりとしていい時間が過ごせた」と満足そう。栃木県佐野市の会社員男性(50)は「たまには変わった経験をしてみたいと応募した。車内のレトロな雰囲気が料理とマッチしていて良かった」とにっこり。

◆来月は和食提供

 秩父鉄道は第二弾のランチSLとして、七月二十九日、寄居町の割烹(かっぽう)旅館「京亭」の和食を提供する(受け付けは既に終了)。今後も秩父線沿線の飲食店とのコラボレーションを随時企画していく予定という。

 坂本部長は「料理を提供する観光列車がいま全国的に注目されている。お客さまにSLで食事を楽しんでいただくことで、地域と秩父鉄道とがお互い協力してつながっていければ」と期待を込めた。

 

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