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【埼玉】

<ヒーロー>両親に贈る8強 花咲徳栄3年・高井悠太郎(たかいゆうたろう)選手

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 「この試合はどうしても負けたくなかったんですよね」。3安打3打点と躍動し、準々決勝進出の原動力となった6番打者はニヤリと笑った。

 特別な思いを二つ抱いた3回戦だった。「母の誕生日祝い」と「甲子園で父に並ぶこと」。県大会の通算打率は1割台。今までふがいない姿ばかりだったから、両親に聖地での活躍を見せたかった。

 関東一(東京)時代に夏の甲子園でベスト8に入った父・隆行さん(50)は野球の師匠だ。物心がついたばかりのころ、サッカーを習っていた息子に父は冷たかった。「何があっても褒めなかった」と笑う。

 家にはおもちゃのバットとボール。自然と野球に興味が湧き、小学校に入ると野球を始めた。しばらくして父はコーチになった。

 以来、練習でも試合でも出来が悪いと帰りの車は「説教」の場に早変わり。母・薫さん(48)は泣きじゃくる息子を度々なぐさめた。それでも「父の教えが土台になっている」という。

 教えが生きたのは七回。無死二、三塁で甘いスライダーをたたくと、一塁手のグラブをはじいて勝利を決定付ける2点適時打に。「最高のプレゼント。思い出に残る誕生日になった」と満足そうな薫さん。

 隆行さんは「本当はもっと打ってほしいけどね」と言いつつ、甲子園8強で並ばれたことに「自分を超えてほしい。本当はもう超えてると思うけどね」とニヤリ。息子と同じ笑みを浮かべていた。 (牧野新)

 

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