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【埼玉】

「ピカドン」など初展示 おばあちゃん画家・丸木スマ展開催中

晩年の丸木スマ

写真

 70歳を過ぎてから絵を始め、日本美術院展覧会(院展)に連続入選するなど「おばあちゃん画家」として知られた丸木スマ(1875〜1956年)の作品57点を集めた「丸木スマ展−おばあちゃん画家の夢」が東松山市の原爆の図丸木美術館で開かれている。今年3月、広島市の旧宅で見つかった「ピカドン」など、同美術館では初展示となる作品も含まれている。11月18日まで。(中里宏)

 原爆の図を描いた日本画家・丸木位里の母親でもあるスマは一九四五年八月六日、原爆の爆心地から二・五キロ離れた自宅で被爆。夫は翌年三月に亡くなった。

 張り合いをなくし、「することがなくなった」とこぼすスマに位里・俊夫妻が絵を描くことを勧めたという。

 身近な動物や植物を好んで描き「天真らんまんな自然賛歌」と評された作品は、遠近法とは無縁の自由奔放な画風。五一年に女流画家協会展に初入選した。

 「ピカドン」は今年三月、丸木美術館学芸員の岡村幸宣さんらが、広島市の旧宅の押し入れから見つけた。五〇年ごろの作品とみられ、原爆で重傷を負った人たちが橋を渡って逃げてくる光景が描かれている。

 岡村さんは「当時の自宅近くから目撃した光景だろう。ほかの絵と違い、構図はスマさんの視線そのままに描かれている。位里・俊夫妻の原爆の図に影響を与えたことは間違いない」と話す。

 「カニの図」は二〇一四年、吉川英治記念館(東京都青梅市)の屋根裏から見つかった。一九五五年、俊(当時は赤松俊子)が原爆の図や原爆文学を展示・保管する「原爆堂」建設(その後、計画中止)の発起人を吉川英治に依頼し、「カニの図」を贈ったことが吉川の秘書の業務日誌に書き残されているが、所在不明になっていたという。

 十月二十一日午後二時から、昭和の美術運動に詳しい近現代史研究者の小沢節子さんによるトークイベント(参加費五百円)が開かれる。

 同美術館は月曜休館(祝日は開館)。入館料大人九百円。問い合わせは同美術館=電0493(22)3266=へ。

 

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