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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW> 3システムで残留へ 大宮・伊藤監督の戦術

G大阪と引き分け、引き揚げる大宮イレブン=16日、熊谷市で

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 J1リーグは23日に第27節を終え、残り7試合と大詰めを迎えている。ここ5試合、白星から遠ざかっている大宮アルディージャは、依然として降格圏を抜け出せていない。

 第14節から渋谷洋樹前監督の退任を受けて指揮を執る伊藤彰監督は、チームを立て直すために試行錯誤を繰り返してきた。基本的に自分たちでボールを動かして主導権を握り、試合を運ぶスタイルを志向して、7月のサマーブレークまで2勝2分け1敗と、再建はうまく進んでいるように見えた。

 クラブも補強に動き、中断期間にMFカウエ、FWマルセロ・トスカーノと2人のブラジル人を獲得した。ともに高い能力を持ち、チームの総合的な戦力はアップしたと言える。しかし、能力の高い選手が入ればそのままチーム力が上がるわけではない。2人の加入後は、リーグ戦25節まで7試合を戦って1勝2分け4敗。かえって順位を落としてしまった。

 伊藤監督は次の第26節(今月16日)のガンバ大阪戦で、初めてカウエ、マルセロの2人をスタメンから外した。また4−3−3システムで臨む中盤の3人は、中央の下がり目に位置する「アンカー」に大山啓輔、その前方に横谷繁と茨田陽生を置き、FWの左には7試合ぶりのスタメンとなる大前元紀を起用。「現状ではベストバランス」(伊藤監督)という、中断前のメンバー構成に戻した。

 しかし、相手のG大阪はワールドカップ予選で日本代表のヒーローとなった井手口陽介をはじめとした中盤の選手のレベルが高く、劣勢を強いられる。井手口に先制点を奪われたこともあり、伊藤監督は前半途中から大山、茨田を中央に並べ、大前をFWの江坂任と組ませる2トップの4−4−2(江坂、大前が縦関係になれば4−2−3−1)に変更した。これで相手に使われていたスペースを消し、徐々にリズムを取り戻して、後半に入って2−1と逆転に成功する。

 個人能力の高いマルセロを投入して、逆転した後の3点目を狙う圧力をかけた。試合終盤にはDFに負傷者が出たこともあって、CBの間にカウエを入れて5−4−1システムに変更して逃げ切りを図った。

 結果的にはマルセロがチャンスを外し、アディショナルタイムに同点とされてしまい、交代策は勝利に結びつかなかった。それでも、残留へ向けてチームの戦うべき方向性が示されたように感じた。

 つまり、伊藤監督が基本とする4−3−3があり、ボールがよく動くこのシステムが機能すれば試合を優位に運ぶことができる。うまくいかなければ、各ラインのバランスを取りやすい4−4−2でリズムを変えて対応し、さらに個人で打開できる選手を投入して相手に脅威を与える。逃げ切り態勢に入るなら、後ろに重心がかかる5−4−1で手堅く試合を運ぶ。

 三つの使い分けを誤ることなく、それぞれのやり方で連係を高めていくことができれば、残り7試合での残留達成は十分に可能だろう。 (サッカージャーナリスト)

 

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